温水洋一、手足縛られ監禁…主演スリラーの過酷な撮影を振り返る
俳優の温水洋一が主演を務める映画『アブダクティ』の初日舞台あいさつがヒューマントラストシネマ渋谷で12日に行われ、わずか5日間で行われた過酷な撮影を温水が振り返った。麻亜里、正木佐和、椿かおり、山口雄大監督も出席した。
同作は『地獄甲子園』『ABC・オブ・デス』などの山口監督がメガホンを取ったシチュエーションスリラー。家族に捨てられ、借金を抱えた中年男に温水が扮(ふん)し、何者かに拉致され、閉鎖されたコンテナからの決死の脱出に挑む姿をほぼ一人芝居で描いている。ベルギーのブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では準グランプリを獲得した。
わずか5日間で行われた急ピッチの撮影について温水は「最初の1、2日はくじけそうになるくらいカット数が多くて」と苦労を吐露。両手両足を縛られ、頭からビニール袋をかぶせられるなど、精神的・肉体的に負担を強いられることもあったといい「時間的に余裕がなくて、ケアしてくれる人もいなくて……。(待ち時間も)縛られてビニールをかぶせられて『今これ何の待ちだろう?』とか思いながら、結構長い時間コンテナの中にいました」と気合と忍耐で乗り切った撮影を振り返った。
それでも、「壁越しに助監督が怒っている声も聞こえて、五感が鋭くなりました。役とリンクしていると思います」と冗談めかしながら語った温水。「だんだん疲れていくさまは本当にリアルです。後半、もう少しでクランクアップするときは、本当に高揚感たっぷりでパワーがみなぎる感じでした」と愛嬌(あいきょう)たっぷりに語り、「すごい展開になっています!」と観客に期待を持たせていた。(中村好伸)
映画『アブダクティ』はヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中 全国順次公開予定