実写版『魔女の宅急便』予告編初公開!清水崇監督、映画愛を語る
第26回東京国際映画祭
映画製作の今と未来を語るトークイベント「日米フィルムアカデミー」が19日、第26回東京国際映画祭にて開催され、同映画祭審査員を務める『アバウト・ア・ボーイ』のクリス・ワイツ監督と、『呪怨』の清水崇監督が登壇。日米映画製作の違いや共通点など、それぞれの経験を通して秘蔵トークが展開する中、40分前に完成したという清水が監督する実写版『魔女の宅急便』の予告編が初公開された。
日米の製作スタイルの違いについて清水は『呪怨』のリメイクを例に出し、「アメリカ流のやり方が嫌でよくぶつかったが、プロデューサーのサム・ライミがうまく取り持ってくれた。例えば、1度仕上がった作品に修正が入り、リテイクするなんて日本じゃありえないが、『納得いなかったシーンも直せるぜ』という彼の一言で、それもありかな?」と一長一短があることを痛感したという。
一方、アメリカ人監督のワイツは、「観客の要望に沿ってスーパーヒーローものが量産されているが、ヒットを狙って映画を作ることだけはしたくない。大切なのは自分の中から湧いてくるテーマ性、一つのところに特化することもよくないこと。そういった意味では、ホラーから実写版『魔女の宅急便』に挑んだ清水さんはすごい」と称賛した。
少年の頃、19回劇場に通い、『スター・ウォーズ』に恋におちたというワイツ。『E.T.』でスピルバーグの存在を知り、初めて監督という仕事を意識したという清水。二人に共通するスピリッツは、映画に全身全霊をささげること。ワイツが「いつも、これが『最後の作品』という思いで撮っている」と語ると、すかさず清水も「僕は寝言で『もう1回!』とか『よーい、ハイ!』とか毎日のように叫んでいるらしい」と応酬し、あふれるほどの映画愛こそ未来を拓く力であることを強調した。
なお、トーク終了後には、アメリカにおける不法移民の苦悩と格闘の日々を描いたワイツの最新作『明日を継ぐために』を上映。温かい拍手に包まれながら再びワイツが登場し、参加者からの質問に真摯に答えた。(取材・文:坂田正樹)
第26回東京国際映画祭は10月25日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催