ベン・アフレック、ミラ・ジョヴォヴィッチも出演!青春映画の金字塔20周年で特別上映
リチャード・リンクレイター監督の初期代表作にして青春映画の金字塔『バッド・チューニング』(1993年、日本未公開)の公開から20年を祝し、ニューヨーク映画祭で特別上映会が開催された。上映後にはリンクレイター監督、キャストのパーカー・ポージー、ジェイソン・ロンドン、そしてアンソニー・ラップが登壇し、Q&Aが行われた。
本作について「スタジオ製作の作品なんだ。この映画を作る機会を与えてくれたユニバーサルに感謝したい」と語ったリンクレイター監督。「1970年代に過ごした自分の高校生活を基にした映画だけど、映画監督からすると、あの時代は最高だった」と笑顔で振り返る。
そんな本作は、監督の半自伝的な過激青春コメディー。リンクレイター監督によると「劇中に登場する多くのシーンは自分で体験したこと」だという。さらに出演者のパーカーは、自身が演じるチアリーダーが、儀式としてケチャップやマスタードを新入生たちに派手に掛ける仰天シーンに触れ、「あれは、おばに聞いた話なの。アメリカでは、実際にあんなことをしていたのよ!」と告白し場内の大観衆を驚かせた。
本作には、エアロスミス、アリス・クーパーなど数多くのロックナンバーが使用されている。監督は当初、レッド・ツェッペリンの楽曲「ロックン・ロール」も使用したかったというが、「メンバーの許可が下りなかった」のだとか。ちなみに映画の原題「Dazed and Confused」もツェッペリンの曲名(日本語タイトル:幻惑されて)が基になっているが、この曲は「あんまり好きじゃなかったから」劇中での使用は考えなかったという。ジェイソンによると、当時監督は、撮影前に映画で使う楽曲を収録したカセットテープをキャスト全員に配ったそうで「撮影中はみんな、そのテープばかり聴いていた。どんな映画になるのか、どう演技すればいいかわからなかったけど、そのテープを聴いてやる気になったし、素晴らしい映画になることがわかったんだ」と振り返った。
またアンソニーは「撮影中の現場は、とてもよく整理されたカオスだった。あんなに素晴らしい撮影はその後経験したことがない」と述懐。リンクレイター監督も「(若かりし頃のベン・アフレックやミラ・ジョヴォヴィッチ、マシュー・マコノヒーも含め)素晴らしい俳優がそろっていたからね。最高の映画ができると思っていたよ」とキャスト陣をたたえていた。(小林真里)