ディズニーと『メリー・ポピンズ』原作者の攻防を描いた映画がワールドプレミア!
第57回ロンドン映画祭で映画『メリー・ポピンズ』製作の裏側を描いた『セイビング・ミスター・バンクス(原題) / Saving Mr. Banks』がワールドプレミア上映された。プレミアに先立ち、ジョン・リー・ハンコック監督、出演のトム・ハンクス、エマ・トンプソン、コリン・ファレルらが会見を行った。
現地時間9日にオープニング作品『キャプテン・フィリップス』でも会見に登場しており、開口一番「(映画祭期間中ずっと)寝袋で寝ていたんだよ」とジョークを飛ばしたトム。実際には17日、18日と第26回東京国際映画祭に参加するなど世界を飛び回っていた。『セイビング・ミスター・バンクス(原題)』はクロージング作品であり、ロンドン映画祭においてトムはオープニングとクロージングの両方を飾った初の俳優となった。
本作は、『メリー・ポピンズ』の原作者パメラ・L・トラヴァースが、ディズニーが同作を映画化することを認めるまでの物語。父の思い出と深く結び付いている作品を守ろうとするパメラとウォルト・ディズニーの攻防を、幼い日のパメラと父のシーンを重ねて映し出す。パメラ役のエマは「脚本の最初のページを読んで『やるわ!』と言ったわ」と心底ほれ込んでの出演だったことを明かした。
一方のコリンが演じるパメラの父は、娘の空想の世界を壊さないようにと努めるも、次第に社会の落後者であることがパメラにもわかってしまうという役どころだ。「人に影響を与えたものに参加できるのは本当にいい。僕は、読む前から『よし、これは僕の映画だ!』という声が頭の中で響いたよ!」とエマに負けじと作品への愛着を強調した。
ウォルト・ディズニー役のトムは「僕はディズニーで育った。ミッキーマウスはアメリカの大統領みたいなものだ」とコメント。「だから、かえってどこから始めたらいいか戸惑ったよ。ウォルトの映像はあったけど、残念ながらそこでのウォルトは自分自身を演じているといった感じだった。でも彼と近い人たちと会うことができたからよかった」と世界的な有名人の実像に迫る苦労を語った。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)