清春、影響されたソロアーティストは井上陽水
ミュージシャンの清春が6日、福家書店新宿サブナード店で行われた、初の詩集「MARDI GRAS」(マルディ・グラ)の発売記念イベントに出席し、報道陣の取材に応じた。
同書は1994年に黒夢としてデビューしてから、20年目の活動を迎える清春初の詩集。インディーズ時代の作品から2013年のシングル「KINGDOM」まで、CD未発表曲も含む全334編の詞が収録されている。発売のきっかけについて清春は「黒夢からsads、清春まで3つを一つのものにしたかった」と説明。若かりしころの詩については「幼稚と思うこともあったけど、歌詞は意外と(良く)書けているなって」と分析した。
清春、詩集「MARDI GRAS」発売記念イベントギャラリー
そのデビューから現在に至るまでの詞の変化について清春は「基本的には好きなことを書いているけど、大人になってギスギスした感じやトゲトゲした感じは減って。それを柔らかいものにするだけではなく、もうちょっと生きている時間を感じるようなものができた」と解説。作詞のポリシーについて「100人が聞いて100人がわかる歌詞よりは、70人くらいしかわからないくらいのものですかね」とエッジの効いた発言も飛び出したが、「人が聞いてどう思うとか気にしていなくて、歌詞はロックの中の一つのパーツであって、誰もわからなくてもいいと思っていた」と振り返った。
そんな清春が作詞について特に意識するきっかけとなったのが、ソロ活動だったという。これまでの活動で一番思い出に残っている1曲も、ソロ1枚目のシングル「EMILY」だといい「バンド時代とソロで、どういう単語を使うのか、ロック的ではないものを使いたいと思っていたので」と解説。ソロとして影響されたアーティストには、井上陽水などの名前を挙げ「ソロアーティストの方はバンド出身のミュージシャンと違って、昔から歌詞にこだわっている方が多いと思う」と敬意を込めた。
現在に至るまでカリスマ的人気を誇りながら、作詞について「難しい」と本音も漏らした清春。一方で「(アルバム制作などで)5曲書かないといけないとしたら、1個1個と書かずに、同時に書いています。1つの歌詞を完成させることにこだわらないいので、詰まったら次、次と悩む時間を減らしていく。5曲くらいだったら真剣にやれば3日くらいで書けます」と作詞の秘けつも明かしていた。(中村好伸)
詩集「MARDI GRAS」は発売中(税込み:3,150円)発行:株式会社KADOKAWA