石橋蓮司の娘を演じた永作博美、撮影中に禁じられた「アレ」をつまみ食い?
伊吹有喜のロングセラー小説を、映画『ふがいない僕は空を見た』のタナダユキが映画化した『四十九日のレシピ』で、親子を演じた永作博美と石橋蓮司が、父と娘という配役や本作で学んだ料理の秘訣(ひけつ)について語った。
本作は亡きの母・乙美の遺志である「四十九日の大宴会」を開催することで、遺(のこ)された家族と友人たちが次の一歩を踏み出すまでを描く、感動作。乙美の夫・良平を演じた石橋蓮司と、その娘の百合子を演じた永作博美。親子役と聞いて、永作の出演作である『八日目の蝉』を再見したという石橋は、「『これはややこしいヤツを相手に芝居しなきゃなんないな』と思いましたね(笑)」と冗談を飛ばすも、父と娘という配役に、抵抗もなくスッと入れたと語る。
「四十九日の大宴会」のシーンには、さまざまな料理が登場する。劇中で永作は、豚まんやコロッケパンといった料理を次々とテーブルに供する側だったため、ほとんど食べることができなかったという。それでも「何か食べたい!」と、禁じられていたつまみ食いを敢行。カボチャの煮物を味見してみたところ、とてつもなくおいしかったため、フードコーディネーターのなかしましほにカボチャの煮物のコツを質問したという。
すると「火はちょっとしか入れず、味を決めたら、ふたをして置いておく」というアドバイスをゲット。自宅でトライしてみたところ、「ものすごーくおいしくできたんです!」と満面の笑み。「料理って、物足りないとついつい火にかけ過ぎたりしてしまうけれど、あれこれやり過ぎちゃいけないということを知りました」と料理の秘訣(ひけつ)を語った。
本作にはそのほか、塩ラーメンにバターを入れて食べる、揚げたてのコロッケにソースをビシャビシャに掛けると冷めてもおいしいなどの、亡き母のレシピが満載だ。石橋は「どれもおいしかったけど、やっぱりコロッケサンドと豚まんだね」と撮影を振り返る。人と人を母の愛や食べ物がつないでいく、なんとも温かくておいしい映画が完成した。(取材・文:須永貴子)
映画『四十九日のレシピ』は11月9日より新宿バルト9、有楽町スバル座ほか全国公開