倍賞千恵子、中国でファンクラブが発足!
9日、映画『東京に来たばかり』の初日舞台あいさつがシネマート新宿で行われ、出演者の倍賞千恵子とジャン・チンミン監督が、ようやくの日本公開となった喜びを語った。
日中関係の悪化もあり、日本での公開が延期されていた本作。ようやくの日本公開に、倍賞は「こんなときだからこそたくさんの人に観てほしい。立場は変わっても、人間は変わらないことを感じていただけたら」とアピール。また、日本に先立って昨年3月に公開された中国では、若い人を中心に倍賞のファンクラブが立ち上がったそうで、倍賞は「この年になってファンクラブなんて、頑張らなきゃ」と笑顔を見せた。
日本映画学校監督科や日本大学芸術学部映画学科で学んだジャン監督は「日本で経験したことを表現したい。テーマは『人と人とは通じ合うことができる』です」と映画への熱い思いを語った。また第1稿を書き上げた20年前から倍賞を主演に熱望していたそうで、「とても尊敬していました。役そのままに『おばあちゃん』と呼んでしまっていましたが、良い現場の雰囲気を作ってくれました」と感謝の気持ちも口にした。
その倍賞も「この映画は7年前に一度中止になっているんですが、改めて依頼が来たので『わたしで良いんですか?』って。7年ですからね。監督とは最初は通訳を介していたんですが、監督自身が体で表現してくれるので、通訳なしでもわかるようになりました」と完成までの苦労を明かした。
本作は、日本に囲碁の勉強にきたものの、無為に毎日を過ごしていた中国人青年が、老婦人と知り合いになったことをきっかけに、再び囲碁への情熱を取り戻していく物語。(取材・文:県田勢)
映画『東京にきたばかり』は11月9日全国公開