原田貴和子、知世との20年ぶりの姉妹共演に充実感!
長崎を舞台に、グループホームで暮らす認知症の母と息子のおかしくも切ない日常を描いた映画『ペコロスの母に会いに行く』が16日、公開初日を迎え、出演の岩松了、赤木春恵、原田貴和子、大和田健介、松本若菜、森崎東監督、原作者の岡野雄一が、都内で舞台あいさつを行った。原田は本作で実妹の原田知世と20年ぶりの姉妹共演を果たしており、「ぐっと気持ちが入りました」と心境を明かした。
原田姉妹の共演は、映画『私をスキーに連れてって』(1987年)、『結婚』(1993年)に続き3回目。本作で原田貴和子は、妹・知世と幼なじみの間柄を演じており、「20年というと何だかびっくりしますね」と振り返ると、「親友同士という強い絆で結ばれた役だったので、その辺りは姉妹、ぐっと気持ちが入りましたね」と充実感をにじませた。
「撮影中は(姉妹で)あまり話はしませんでしたが、姉妹で演じることが、結果的にはすごく良かったんじゃないですか」と原田。二人の実際の故郷でもある長崎が舞台になった作品とあって、思い入れも深いのか「わたし自身が長崎出身。故郷を離れて30年になりますが、今では2児の母になりました」と近況を述べ、「原作を読ませていただいて、わたし自身、この作品からたくさんの愛をもらいました。方言がすごく魅力的な作品で、作品をすてきに彩っていたので、正確な長崎弁をもう一度勉強して撮影に挑みました」と舞台裏を明かした。
また、舞台あいさつでは森崎監督が2日後に86歳の誕生日を迎えるとあって、花束の贈呈も行われた。監督は「まるで映画のような、夢のような演出。いつ覚めるかもわかりませんが、できれば覚めないでほしい」と感謝の気持ちを述べ、作品については「今作を通じて介護をすることは楽しいことだと改めて知りました。皆さんたちもやればわかります。じきに来るでしょうから慌てることもないですよ」と客席にメッセージを送っていた。
映画『ペコロスの母に会いに行く』は岡野雄一による同名のエッセイ漫画の映画化作品。母親のみつえが暮らすホームを訪ねる主人公・岡野ゆういちとみつえの親子のやりとりや、ゆういちが幼いころ家族で過ごした時間などがユーモアたっぷりに描かれる。(取材・文 名鹿祥史)
映画『ペコロスの母に会いに行く』は全国公開中