ポン・ジュノ監督、初の英語作品3D化をめぐってパク・チャヌクと大激論!
映画『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督が、クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、エド・ハリスなど、国際色豊かなキャスト陣と共に撮り上げた映画『スノーピアサー』について、プロデューサーを務めたパク・チャヌクとの関係を交えて語った。
製作費約400億ウォン(約39億円)と、韓国映画としては破格の超大作となった本作。舞台は2031年。氷河期に突入した地球上を行くあてもなく走る列車の後方車両に押し込められた最下層の住人たちが、彼らを支配する先頭車両の上流階級に反旗を翻すさまを描いたアクション大作だ。
「非常に製作費が掛かったけど、この映画に出演したクリス・エヴァンスさんは、アメリカでのトークショーで『規模は非常に小さいけど、斬新でユニークな作品に出演したんだよ』と話していたんだ。やはりハリウッドの基準は違うんだね」と冗談めかして笑うポン監督だが、初の英語作品でもあり、国際的なキャスト、チェコでの撮影を敢行するなど、スケールの大きな映画作りがなされている。
そんな本作にはまた、映画『オールド・ボーイ』の監督を務めたパク・チャヌクがプロデューサーとして名を連ねる。先輩監督との仕事についてポン監督は「韓国では、後輩があれをやりたいなどと言いだしたら、そのわがままをすべて受け止めて『わかったわかった』と聞いてくれるのが先輩というものなんだ」と笑いながら述懐。
その上で「多額な製作費の作品であるにもかかわらず、クリエイティブな面において完全に守ってくれたんだ。僕のビジョンを具体化する上で、チャヌクが果たしてくれた役割は非常に大きかった」と感謝の意を表したポン監督。チャヌクに対して「頼れる先輩」と全幅の信頼を寄せる一方で、映画の準備段階でチャヌクが「3Dで撮影するべきだ」と主張し始めたときだけは意見の対立があったという。「大きな予算の映画だったし、初めての英語での映画だった。それでなくても新しく勉強しなくてはいけないことがたくさんあるのに、そこに3Dまで付け加えるのは無理だと思ったんだ」。二人の意見は一時平行線をたどったが、最終的には「そこはやはり先輩なので、後輩の言うことを聞いて折れてくれた。3Dをやるなら先輩がぜひやってくださいと言ったんだ」とのこと。「チャヌク兄さんは、とても苦労されたと思うよ」と笑いながら労をねぎらうポン監督であった。(取材・分:壬生智浩)
映画『スノーピアサー』は2月7日より全国公開