監督が明かす全米大ヒット映画『ハンガー・ゲーム2』とは?
映画『アイ・アム・レジェンド』のフランシス・ローレンス監督が、新作『ハンガー・ゲーム2 / Hunger Games: Catching Fire』について語った。
同作は、第74回ハンガー・ゲームの勝者となったカットニス(ジェニファー・ローレンス)とピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)は、「凱旋(がいせん)ツアー」を各地区で行っていたが、ゲームの主催者スノー(ドナルド・サザーランド)がその間に、新たに歴代の勝者を戦わせることを決定し、再びカットニスを参加させることで、政治的な企みをめぐらすというもの。フランシス監督は、シリーズの残り2作でもメガホンを取る予定だ。
1作目のゲイリー・ロス監督から引き継いだフランシス監督は、「テレビドラマ『TOUCH/タッチ』のパイロットを製作中に、今作のプロデューサーと配給会社ライオンズゲートの人たちに会った。それから原作を読んだが、すごく楽しめたよ。だが、その時はもう1週間時間をくれと頼んだんだ。なぜなら、僕はそれまで続編を製作したことがなく、テレビ番組を引き継いだこともなかった。しかも、すでに期待されているシリーズで、キャスト陣も一度共演していたからね」と 最初は戸惑ったようだ。
ジェニファー・ローレンスについて「彼女は地に足のついた女性で、謙虚で、さらに才能があり、素晴らしい演技をするため仕事もしやすい。だから、僕が今作で何かを変える必要もなかった。彼女はオスカーを取った2日後からハワイのジャングルでの撮影に参加してくれた。今作のカットニスには、ピータとゲイルとの三角関係が描かれるが、彼女にとってはそれはどうでもいいことで、あくまで家族と共に生き残ることだけを考えている設定だ」と説明した。
原作者スーザン・コリンズとコラボしてみて「彼女とはニューヨークで会って、どのような映画にすべきか3日間共に話し合ったことをノートに記し、それから脚本家とプロデューサーを招いて、脚本の詳細を練り上げていった。スーザン自身はテレビ番組の脚本家経験があり、 原作も映画の構成に近い形で記されている。そのため、彼女はどの箇所が映画向きなのかすでに頭の中にあり、原作では『凱旋ツアー』が長い設定だったが、今作では短くしている」と述べた。
映画は、政治的背景が前作よりも明確になり、その中でさまざまな窮地に追い込まれていく主役カットニスの心境に観客は引き込まれていく興味深い作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)