震災でいち早く日本を支援したサンドラ・ブロック、「日本は大好きな国」
今月、7年ぶり5度目の来日を果たした女優のサンドラ・ブロックが、先ごろ第71回ゴールデン・グローブ賞で女優賞(ドラマ)を含む4部門にノミネートされた最新作『ゼロ・グラビティ』の魅力を語った。
東日本大震災の際には、真っ先に日本を支援したことでも知られるサンドラ。映画『イルマーレ』のプロモーション以来の来日に彼女は「震災前と変わらず、日本はみんな優しくて大好きな国。いつだってそれは変わらないわ」と笑顔を見せた。ちなみに、サンドラの妹の夫は日本人とのハーフだが日本には来たことがないといい、「今回一緒に来たいと言っていたんだけど、仕事の都合で来られなかったの。次こそは連れてくるわ」と約束した。
映画『ゼロ・グラビティ』は、宇宙での作業中に事故で宇宙空間に放り出された科学者の決死のサバイバルを描いたSFサスペンス。サンドラ演じる主人公ライアンは不慮の事故で娘を亡くしたつらい過去を持つが、「そういう悲しい経験をした人は世界に大勢いると思う。ライアンのように絶望の中で希望を見いだし、困難を乗り越えてきた人たちのことはすごく尊敬するし、自分がどれだけ恵まれているかということに感謝しているわ」と彼女は語る。
実生活では2010年に養子ルイスくんを迎えたサンドラ。役づくりの上では常にライアンの気持ちになって、自分の子どもを亡くすということについて考えていたといい、「それは本当に恐ろしいことで、つらい気持ちになったわ」と撮影の苦労を明かした。
本作はすでに全世界で約600億円の興行収入を突破するなど大ヒット中。あのジェームズ・キャメロン監督も衝撃を受けたという驚異的な映像美ばかりが注目されているが、サンドラいわく本作の魅力は「遊園地の乗り物に乗っているようなスリルと素晴らしいドラマ性を兼ね備えている」ところ。「アルフォンソ(・キュアロン監督)が作り上げた今までに観たことのない美しい映像はもちろんだけど、それだけでなく主人公が困難に立ち向かっていくさまに誰もが共感できるのもまたこの作品の魅力。これほどのスリルとドラマが一緒になることはなかなかないわ」と力強く語った。(取材・文:中山雄一朗)
映画『ゼロ・グラビティ』は公開中