“サイコキラー”北村一輝、圧倒的なバイオレンスに戸惑い
北村一輝とインドネシアを代表する俳優オカ・アンタラがダブル主演する映画『KILLERS/キラーズ』の記者会見が20日、東京・六本木のライブバーSuperDeluxeで行なわれ、北村と共演の高梨臨、監督のモー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)が出席した。なお、この日は全世界に先駆けて一部の本編映像が初公開され、その圧倒的なバイオレンス描写に北村は「監督のクレイジーな発想がすごいものを作った」と絶賛した。
日本とインドネシア初の合作映画となる本作は、『ザ・レイド』の鬼才ギャレス・エヴァンスが製作総指揮を取り、エヴァンスが最も信頼を寄せるモー・ブラザーズが監督を担当。北村演じるサイコキラー・野村と、アンタラ演じる腐敗政治を暴くため奔走するフリージャーナリスト・バユが、動画サイトの殺りく映像を通して運命的に出会い、やがて血で血を洗うバイオレンスが展開する。
サイコキラーを演じた北村は、「最初、オファーをいただいた時、(主人公に)まったく共感できなかった。だから監督に聞いたんです、『なぜこの映画を作るのか』と。すると、アジア人にもバイオレンスというジャンルでここまでできるんだ! ということを世界に示したかった、という答えが返ってきた」と述懐。さらに「野村という男は何なんだ? と聞くと、すべてを超越した『神だ』と言われ興味を持った」と振り返り、発する音から目の動きまで、細部にまでこだわった監督のキャラクターづくりに身を任せたという。
監督の一人ティモは、「この映画は確かに暴力的だが、バイオレンスを謳歌(おうか)する野村と、バイオレンスから逃れられないバユとの対比から、バイオレンスが人にどんな影響を与えるのかを考えてほしい」と強調。一方のキモは、「合作は大変な作業だったが、演出を煮詰めて撮影に入ったのでスムーズにいった。日本のプロジェクトは素晴らしかった」と絶賛。なお、会見途中、製作総指揮を取ったエヴァンスからビデオレターが届き、「日本のクオリティーの高さに刺激を受けてわれわれの士気が上がった。期待に添える作品が完成した」とメッセージを寄せた。(取材・文:坂田正樹)
映画『KILLERS/キラーズ』は2014年2月1日よりテアトル新宿ほか全国公開