中尾彬、母を亡くした中村獅童に慰めの言葉 志乃夫人の母とも俳句仲間だった
俳優の中尾彬が19日、都内で行われた映画『皇帝と公爵』の試写会に出席し、17日に心不全のため母・小川陽子さんを亡くした歌舞伎俳優の中村獅童に「大変だと思うが、役者というものは親の死に目に会えないものだ。それは役者になったときから覚悟していないといけない」と慰めの言葉を贈った。また、妻・池波志乃の母親と陽子さんが俳句仲間であったことも明かしていた。
映画『皇帝と公爵』はもともと、チリ出身の巨匠ラウル・ルイス監督が企画したものだが、撮影目前に他界したため、妻のバレリア・サルミエントさんが遺志を継いでメガホンを取った。その事実に感銘を受けた中尾は「カメラがゆっくり動いて優しい目線で戦争を捉えている。殺伐なところが一つもない。小さな天使が出てくるシーンが好きだ」と作品の感想を語った。
たまたま志乃夫人と本作を鑑賞したという中尾は「カミさんと一緒に観て、女性の心境を聞くと、すごくわかると言っていた」とコメント。また、35年を迎える夫婦生活については「うまくやっていく秘訣(ひけつ)は舌だね。同じ味覚を持つこと」と明かした。さらに俳優生活50年の中尾は「(役者を)続けているのは、ライセンスもないし、定年もないから。だから意地でやっている」と語っていた。
本作は、ナポレオン率いるフランス軍とウェリントン将軍が指揮を執るイギリス・ポルトガル連合軍の激突と、その裏で繰り広げられる人間模様を映し出した歴史ドラマ。カトリーヌ・ドヌーブ、ミシェル・ピコリら往年の名優たちが出演しているのも見どころとなっている。(福住佐知子)
映画『皇帝と公爵』は12月28日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開