精子提供で533人の子どもの父親に…ヴィンス・ヴォーンが新作を語る
映画『ドッジボール』『僕が結婚を決めたワケ』などでおなじみのヴィンス・ヴォーンが、新作『デリバリー・マン(原題) / Delivery Man』について語った。
同作は、若い頃に匿名で精子を提供した過去のあるデヴィッド(ヴィンス)が、20年後に自分の精子によって533人の子どもが誕生していた事実を伝えられ、そのうち142人の子どもから実の父親探しの裁判を起こされていることを知ったことで自分が父親と名乗るべきか考え始めていくというストーリー。カナダで製作された映画『人生、ブラボー!』の米版リメイク作品で、オリジナル作品を手掛けたケン・スコット監督がメガホンを取った。
リメイクであることについて「ケン監督は、オリジナル作品の脚本兼監督を務め、この作品に情熱を持っていた。僕自身も、オリジナル作品は素晴らしいと思っていて、彼に出演をオファーされたときは、もし少しでもオリジナルと内容が変わっていたら、オープンに出演を受け入れなかったと思う。このオリジナルのストーリーは、父親でもあるケン監督にとって重要なもので、そんなストーリーを、彼はニューヨークを舞台に設定を変えて伝えたかったようだ」と述べた。
マディソン・スクエア・ガーデンでの撮影について「533人のうちの1人の子どもにプロのバスケ選手がいて、その子どもの試合を見に行くシーンがある。幸いにも、実際にニューヨーク・ニックスの試合が行われている時に撮影ができた。マディソン・スクエア・ガーデンの大きさと、観客のエネルギーを利用できて予想よりも素晴らしい映像になったよ」と臨場感のある映像になったことを語った。
映画はコメディー作品ではあるが、シリアスなトーンでも描かれている。「ケン監督は、ドラマチックで感動的で、ユニークな演出をしていて、型にはまったジャンル映画を観ていないことで観客も楽しめると思う」と答えた。さらに若手俳優との共演について「デヴィッドの子どもの一人、ブレットを演じたクリス・プラットは、リアルで自然な素晴らしい仕事ぶりで、熱心でナイスガイだった」と絶賛した。
映画は、さまざまな子どもと接することで、自分の人生を見つめ直す主人公に共感の持てる内容に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)