看護師でロリータ!カワイイのカリスマ青木美沙子の起源は『下妻物語』
日本発世界に通じる「カワイイ」文化を世界に普及し続けている“カワイイのカリスマ”青木美沙子の起源とその志に迫った。
青木は正看護師として、訪問看護の仕事を続ける傍らで、外務省から正式に“カワイイ大使”に任命され、ロリータファッションを日本のみならず世界に広めるべく日夜活動している、正統派のロリータだ。ピンクのリボンをあしらったドレスに身を包み、その容姿はまるで、人形のように愛らしい。青木いわくロリータファッションはフランス人形のファッションテイストを日本人が独自にアレンジしたファッションだという。いわば、“着物”のように日本独自の文化なのだ。
青木がロリータファッションに目覚めたのは、中島哲也監督の映画『下妻物語』だったという。深田恭子の着用していたBABYというブランドのロリータファッションは、青木がこれから進むべき道を指し示していたという。「ロリータ界でもこの『下妻物語』はバイブル的な位置づけ」だと青木は明かす。
レースやリボンをふんだんにあしらったピンクを基調としたドレスは、女性であれば、年を重ねても心の奥のどこかには「着てみたい」という願望があっても、ティーンエイジャーを過ぎるとさすがに敬遠してしまう。『下妻物語』のフカキョンを大人の女性は誰もが、さめた目で見ようとしても知らずのうちに感情移入していたハズだ。青木の活動は、そんな女性たちにも日本の文化としてロリータファッションを浸透していくことでもある。
青木が会長となって活動している「日本ロリータ協会」には、現在大勢のロリータファッション愛好家が所属し、定期的なお茶会をはじめ、イベントへのロリータの派遣など、日本だけではなく世界に向けて普及活動を行っており、実際海外からのオファーも多いという。さらに今後は、「ロリータファッション」(今春マイナビより刊行予定)なる正しいロリータになるための教科書的な読本も出版予定で、世界中にロリータ愛好家を増やしていくことに貢献していく。
最近ではハリウッド映画やテレビドラマで、日本人女性の象徴としてロリータファッションに身を包む女性が映像として使われることがある。これは青木の活動の賜物ともいえるだろう。日本発のカルチャーとして、世界に羽ばたくロリータと青木美沙子を見守りたい。(編集部・下村麻美)