北村一輝は「最高の俳優」 インドネシア人監督が絶賛
日本とインドネシアのスタッフがタッグを組み、殺人に魅せられた二人の男の宿命を過激に描いた映画『KILLERS/キラーズ』で主役を演じた北村一輝が、メガホンを取ったインドネシアのモー・ブラザーズ監督(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)と共に作品の魅力を語った。
本作で北村が演じているのは残忍かつ冷酷でありながら自身の美意識を貫くサイコキラー・野村。R18+(18歳未満観賞不可)という厳しいレーティングがつけられているように、劇中の殺人シーンはどれも過激で凄惨(せいさん)。だが、血しぶきが飛び散りながらも、映像はとことんスタイリッシュだ。北村は、「これまで観た彼らの作品を超える、バランスも良く、音楽も最高の仕上がりです。自分が想像していたものをはるかに超えてきた感じでしたね。とても斬新な作品です」と自信をのぞかせる。
監督が「人殺しの神様のような人」と形容する天性の殺人鬼・野村と対照的に描かれるのが、インドネシアでジャーナリストをしているバユ(オカ・アンタラ)の運命だ。野村がアップロードする殺人動画に触発されながら、悪徳政治家たちをターゲットに殺しに手を染めていく。「激情に駆られて人殺しを続けるバユに対し、野村は沈着冷静に人を殺し続ける」と監督が語るように、北村もまた二人のコントラストを終始大事にしていたという。
「野村という男は、バユのように理由があり人を殺すわけではない。人がご飯を食べたり、お風呂に入ることと同じような感覚で人を殺す人。彼の気持ちは全く理解できないけれど、とにかく淡々と殺していくさまを大事にしていました」と役づくりを語った北村。彼が演じる殺人鬼を“美しく”演出するため、撮影中は自ら北村に血のりをぶっかけ続けたという監督も「一輝は常に僕らを興奮させてくれる最高の俳優なんだ! 彼は野村になりきっていた」と難しい役柄を見事に自分のものにした北村に最高の賛辞を贈った。
本作は現地時間1月16日から開催されるアメリカのサンダンス映画祭への出品が決まっている。北村演じる美しき殺人鬼は、世界中を震撼(しんかん)させることとなるだろう。(編集部・森田真帆)
映画『KILLERS/キラーズ』は2月1日よりテアトル新宿ほか全国公開