レニー・ハーリンが明かすヘラクレスを描いた3Dの大作とは?
映画『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』のレニー・ハーリン監督が、新作『ザ・レジェンド・オブ・ヘラクレス(原題) / The Legend of Hercules』について語った。
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同作は、神ゼウスの子として生まれてきたヘラクレス(ケラン・ラッツ)は、義父である王アムピトリュオーン(スコット・アドキンス)に追放されるが、自らの超人的な力で王権を奪回していくというアクション・ファンタジー。レニー・ハーリンがメガホンを取った。
製作のきっかけについて「子どもの頃からギリシア神話が好きだったうえ、映画『ベン・ハー』や『スパルタカス』のような大作のファンでもあった。多くの監督は、二つの夢を持っていると思う。一つは西部劇映画、もう一つは歴史上のスペクタクル映画を製作することだ。今作はまさに、そんな僕の夢をかなえた映画と言える。大きなキャンパスに、歴史を描くだけでなく、素晴らしいラブストーリーも描かれている。子どもの頃に憧れた、自分を別の世界に連れていってくれるような映画になっている」と語った。
ヘラクレスの妻ヘーベーを演じたガイア・ワイスのキャスティングには苦労したそうだ。「ガイアに出会うまで、アメリカ、オーストラリア、ほとんどのヨーロッパの国でオーディションをしていた。彼女はアメリカや英国にエージェントが居なくて、フランスに住みながら舞台を中心に活動をしていた。だが、彼女が台詞読みを手伝っていた友人男性俳優が、たまたま今作のオーディションをしていて、彼女はヘーベー役の台詞を事前に読み返していたんだ」と明かし、さらに、偶然にもガイアのフランスのエージェントが、このヘーベー役のオーディションを受けることを勧めたそうだ。
ヘラクレスとヘーベーのラブストーリーについて「個人的に、ヘラクレスこそがオリジナルのスーパーヒーローだと思っているが、実際はヘラクレスのイメージは型にはまったもので、僕らスタッフはヘラクレスの起源に迫ったものを描きたかったんだ。彼は機能不全家族のもとで育ち、友人や女性との問題も起こしたこともあった。ただ、次から次へと戦いを続ける設定だけにはしたくなく、ラブストーリーこそが、この映画の重要な要素になっている」と語った。
映画は3Dカメラで撮影され、まさにレニー・ハーリンの手腕によって、ギリシア神話の世界に観客を誘ってくれる作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)