イーサン&ジュリーは1作目から脚本を担当!『ビフォア』シリーズ最新作は悲願のアカデミー賞ノミネート!
映画『ビフォア・ミッドナイト』のジュリー・デルピーが、シリーズ1作目『恋人までの距離(ディスタンス)』(原題:ビフォア・サンライズ)からリチャード・リンクレイター監督、共演のイーサン・ホークと共に脚本を手掛けていたことを明かした。イーサンとジュリーが脚本家としてクレジットされたのは第77回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた2作目『ビフォア・サンセット』からのため、二人が脚本に参加したのは2作目からだと認識されてきた。
44歳のジュリーは「1作目はほとんどイーサンとわたしが書いたんだけど、とても不気味な法的理由で(わたしがクレジットされることは)認められなかったの。本当に不気味なのよ。何かを書いてそこに自分の名前がないのはひどい気分だわ」と告白。「だから2作目は初稿から脚本家組合に登録して自分の権利は守ったの。もう32歳だったしバカじゃなかったから!」と若き日の自分を振り返った。
現在は女優業にとどまらず、脚本家、監督、サウンドトラックの作曲と幅広く活躍しているが、「30歳から33歳までは自分が興味のあることは何もできなかった。わたしという存在は誰にとっても無意味なものだったの」と打ち明けたジュリー。「あの頃は『ビフォア・サンセット』を書いていて、そんな“ちっぽけな映画”を書いているのは時間の無駄だと思ったのか、エージェントも離れていったわ。円満にだけどね」と困難な時期があったこと明かした。
しかしその時間が「全部をリセットして『わたしは一体何がしたいんだろう?』と考える良いきっかけ」になったという。「『わたしは本当に、電話で仕事が来るのを待っている女優になりたいのかしら? エージェントに仕事を探してもらう女優に?』って。それで、それは本当のわたしじゃないって気が付いたの。女優の仕事が来ればそれはそれでいいけれど、それ以外の時間は書かなければならないし、他のこともしなきゃならない。電話を待っているだけなんてできないってね」となりたい自分と真摯(しんし)に向き合ったことが現在の活躍につながったようだ。
ジュリー、イーサン、リンクレイター監督は、『ビフォア』シリーズの集大成というべき3作目『ビフォア・ミッドナイト』で再びアカデミー賞脚色賞にノミネートされている。全員にとって初のオスカー受賞なるか、現地時間3月2日に発表される第86回アカデミー賞の結果に期待したい。(編集部・市川遥)
映画『ビフォア・ミッドナイト』は公開中