芳賀優里亜、渾身の作品に思わず涙…共演者ももらい泣き
女優の芳賀優里亜が22日、角川シネマ新宿で行われた映画『赤×ピンク』初日舞台あいさつに登壇し、感無量の涙を見せた。芳賀は本作でフルヌードに挑むなど、体当たりの熱演を披露。そんな本作への思い入れの深さをうかがわせた芳賀の姿には、隣にいた共演の水崎綾女ももらい泣きしてしまっていた。この日はほかに、多田あさみ、小池里奈、榊英雄、原作者の桜庭一樹、そして坂本浩一監督が来場した。
本作は、直木賞作家・桜庭一樹の初期傑作小説を基に、非合法の格闘技イベントに出場する女性たちの姿を描いた青春アクション。性同一性障害を抱える主人公・皐月をフルヌードも辞さない覚悟で演じた芳賀は「難しい役なので最初は不安もありましたし、葛藤もありました。でも坂本監督にお会いして、いろいろ話をさせてもらい、監督の人柄にほれ込みました。監督には、命をかけてやってくださるなら、わたしも命をかけてやります、と言いました」と語ると、これには坂本監督も「はい、命をかけました!」と返答。
そして観客に向けてメッセージを求められた芳賀は「この『赤×ピンク』という作品は、わたし自身にとっても、ものすごく挑戦の多い作品でした。この映画の女の子たちもいろんなものと戦っているけれど、わたし自身にとってもこの撮影の日々はある意味、戦いでした」とコメントするや、声を詰まらせ、込み上げる思いをこらえきれずに思わず涙を流した。
その姿に、隣にいた水崎も思わずもらい泣き。それでも芳賀は言葉を振り絞るように「でも決して一人で戦っているわけではなくて。そこには監督を筆頭に最高のスタッフとキャストがいて。みんながいいものを作ろうという思いで、同じ方向を向いて、戦って作り上げた作品だと思っています。あとは自由な楽しみ方で、この世界を楽しんでいただけたらうれしく思います。今日は本当にありがとうございました」とあいさつし、そんな芳賀を観客は大きな拍手でねぎらった。
一方、原作者の桜庭は「原作を書いた時は自分自身も格闘技が大好きで、週に5回、空手道場に通っていました。その時の自分や仲間を投影している人物なので、それをいい女優さんに実感を持って演じてもらいました。熱く、いい映画になったのでうれしく思っています」とキャスト、スタッフ陣を称賛していた。(取材・文:壬生智裕)
映画『赤×ピンク』は角川シネマ新宿ほか全国公開中