『鉄コン筋クリート』監督、蒼井優を介した鬼才ポン・ジュノとの意外な接点に驚き!
2006年のアニメーション映画『鉄コン筋クリート』の監督を務めたマイケル・アリアスが22日、角川シネマ有楽町で行われた映画『スノーピアサー』のトークイベントに出席し、本作を手掛けた韓国の鬼才ポン・ジュノ監督との、女優・蒼井優を介した意外な接点について喜びを語った。
この日のイベントは、角川シネマが開業3周年を迎えることを記念して開催。アリアス監督は、ポン監督が『鉄コン筋クリート』をここ数年で観た日本のアニメの中でも特に好きな一本に挙げていること、さらにアリアス監督も『スノーピアサー』を絶賛しているといった縁から、ゲスト登壇が決定した。
2008年のオムニバス映画『TOKYO!』の一編、ポン監督がメガホンを取った「シェイキング東京」には、女優の蒼井優が出演している。この日、司会者から「実は蒼井が『鉄コン筋クリート』のシロ役の声優をやっていたことから、(ポン監督から蒼井に)オファーがあった」と聞いたアリアス監督は、ポン監督との意外な接点を知り「今日初めて聞きましたが、うれしいです。でもアニメなので、(蒼井は)顔を出していなかったんですけど……どこが好きだったのかな」とジョーク交えながら語り、笑顔を見せる。
新たな氷河期が到来した2031年の地球上を走る列車を舞台に、奴隷のような扱いを受けていた貧困層が、富裕層に反乱を起こすさまを描く本作。『オブリビオン』『エリジウム』『ゼロ・グラビティ』など、近年鑑賞したSF作品を例に出したアリアス監督は「どれも面白かったけど、みんなとてもまじめというか。あまり遊びがない作品がすごく多かった」と切り出し「だから、こういった遊び心のある映画を久しぶりに観た気がします。この世界とは違うパラレルワールドの物語というか。それこそ自分が影響を受けた『未来世紀ブラジル』『マッドマックス』『デリカテッセン』といったような感じの映画。面白かったですね」とコメント。
さらに「ビジュアル的な監督だと思う」とポン監督を評価したアリアス監督は、その後も原作との比較、同じ監督の立場から見たポン・ジュノ論などを展開。興味深い話の数々に、観客は熱心に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『スノーピアサー』は角川シネマ有楽町ほか全国公開中