「トリハダ」を海外ドラマ化!『CUBE』監督が語るオリジナルの魅力とは?
フジテレビ系列で深夜に放送されたテレビドラマ「トリハダ」を基にしたホラーアンソロジー「ダークネット(原題) / Darknet」のファースト・シーズン(全6話)がアメリカで製作され、現在カナダのスーパーチャンネルで放送中だ。本シリーズの製作総指揮と第1話の監督を務めた映画『CUBE』『スプライス』の鬼才、ヴィンチェンゾ・ナタリが本作を語った。
まず、ナタリは「トリハダ」をどのように発見したのだろう? 「数年前に(日本人の)妻と一緒に『トリハダ』を観たんだ。すぐさま感銘を受けたね。とても独特の不気味なトーンを持つ作品だった」。そこで彼は、すぐに「トリハダ」の製作元に連絡を取り米版の製作を打診。そして「去年スーパーチャンネルと出会い、製作のゴーサインが出た。このシリーズの撮影は、今までで最も楽しくて喜びに満ちた撮影の一つだったよ。創作上の自由を与えてもらえたしね」と満足げに語った。
「トリハダ」の魅力をナタリは「都市環境を背景にした各エピソードが、複数のストーリーで構成されている点が気に入ったんだ。セリフも少なくて、ホラー版の俳句みたいだった」と絶賛。「ストーリーも短いし、現代のテクノロジーや状況をモチーフにしているのも面白かった。スーパーナチュラルな要素はなく、リアルな恐怖がそこにあるんだ。人間の本質のとてもダークな部分を探求しているんだよ」と分析した。
では、その「トリハダ」と「ダークネット」の最大の違いは? 「ストーリーとストーリーの結合要素を増やし、キャラクターがほかのエピソードにも登場できるよう工夫したんだ。第1話は『トリハダ』に忠実な『リメイク』だけど、残りのエピソードは全く別物で独自のアイデンティティーを持っている。『トリハダ』と『ダークネット』は、いわばいとこみたいな関係だね」。すでにセカンドシーズンの構想もあるという「ダークネット」。近い将来、日本でも放送されることを期待したい。(小林真里)
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