意外や意外!松山ケンイチ、2年ぶりの初日舞台あいさつに笑顔!
俳優の松山ケンイチが1日、主演映画『家路』の初日舞台あいさつに登壇した。松山が出演作の初日舞台あいさつに登壇するのは実に2012年3月公開の映画『僕達急行 A列車で行こう』以来、約2年ぶりということで、この日は「時間が空いてしまったけど、いろいろとさせてもらっている中で映画をホームのように感じているのですごくうれしい」と壇上で頬をほころばせていた。ほかに、田中裕子、安藤サクラ、内野聖陽、久保田直監督も出席した。
松山は「この作品は過去の作品でもないし、リメイクでもないし、『今』を扱った作品。『今』を自分が生きているからこそ、何か伝えられるんじゃないかと思って出演した」と出演に至った経緯を明かすと、福島でのオールロケについては「たくさんの出会いがあって幸せだった。農業指導の方の家でロケをしましたが、そこでいただくご飯も本当においしくて、みんなを笑顔にさせてくれた。現場での一つ一つの出来事がこの作品の大切なエッセンスになっていると思います」ときっぱり。
また、田中も「今、思うのは福島の縁、感謝です。息をするのもつらいかもしれない、いろんな問題がある中で、心を開け、許して迎え入れてもらった。仮設住宅での撮影では、おばちゃんたちが夜の撮影でホカロンを差し入れてくださいましたし、自分の着ているちゃんちゃんこを脱いで、かけてもくださいました。福島の人に逆に力を分けてもらった気分です」としみじみ。安藤も「いろんなことを忘れてしまうほど、その時間が楽しかった」と福島での時間を振り返っていた。
久保田監督は「企画を立ち上げて3年かかりましたけど、こんなに豪華なキャストに出ていただいて、一生の運を使い果たしてしまった気がします」と感謝の気持ちを述べると、「福島で撮影していいのかと自問自答しつつも、何度か福島に通い、圧倒的な自然の美しさやそこで暮らす人たちの姿を見て、絶対ここで撮らなきゃダメだっていうふうに思った」とこだわりの一端を明かしていた。
本作は、「ドキュメンタリーでは描けない福島を描きたい」という監督の熱意の下、震災後の福島を舞台に、故郷を失った家族が再生に向かう姿を描いた作品。(取材・文:名鹿祥史)
映画『家路』は新宿ピカデリーほかにて全国公開中