『中学生円山』の原点は『家族ゲーム』!? クドカンが語る映画愛と監督業への意欲
第6回沖縄国際映画祭
開催中の第6回沖縄国際映画祭で20日、『中学生円山』の特別上映が行われ監督の宮藤官九郎が登壇。マルチに活躍する宮藤だが今後も監督業への意欲を見せ、本作にインスピレーションを与えた名作についても語った。
『中学生円山』が監督第3作となった宮藤だが、「いま次回作を準備しようとしています」と明かし、「脚本だけの作品と監督する作品がちょうどうまく、何年に1回か監督もやらせてもらえるといいなと思ってます」と話し、今後も監督・宮藤官九郎としての活動にやる気を見せる。
その理由として「時間が空いてヒマな時、何をするかって言ったらやっぱり映画に行く。映画が一番なじみがあるので、そういう意味でやっぱり映画は作り続けていきたい」といい、エンターテインメントの中でも身近でそれ故こだわりを持つ存在として映画を語った。
団地に住む中学生男子が様々な妄想を繰り広げる本作だが、その源泉になったと宮藤が話すのは「すごく好き」と語る森田芳光監督の『家族ゲーム』。ほとんどが家の中で展開される作品だが、そこから「制約がある中で、それが全部いいものに転じるんじゃないか」と思い立ち、団地という限定的設定を考えついたのだという。
『家族ゲーム』に着想を得、自身の妄想ワールドをさく裂させたともいうべき本作の上映を終えた宮藤は、国民的人気を博した「あまちゃん」とはだいぶ離れた作風を気に掛けてか、最後に「僕のこと嫌いにならないでください」と話したが、観客はそんなことないとばかりに大きな拍手で応えていた。
特別上映は那覇市の桜坂劇場を舞台に芸人たちが作品を鑑賞しながらトークを展開する「生オーディオコメンタリー」が好評な人気企画、「桜坂映画大学」の「青春科」として行われ、宮藤のほか有村昆、バッファロー吾郎、桂三度、ケンドーコバヤシが登壇した。
本作は多ジャンルでの活躍を見せる宮藤が、SMAPの草なぎ剛と初タッグを組んだホームドラマ。エッチなことばかり考えている男子中学生が、同じ団地に越してきた謎のシングルファーザーとの出会いを経て成長していくさまを、CGやアクションを駆使した妄想シーンを交えて描く。(長谷川亮)
第6回沖縄国際映画祭は3月24日まで開催