緒形直人、亡き父・緒形拳と過ごした少年時代にしみじみ
俳優の緒形直人が27日、都内で行われた主演映画『サクラサク』の完成披露イベントに出席した。劇中、父親の認知症発症を期に、改めて家族の大切さに気付く主人公を演じた緒形は、忙しかった亡き父・緒形拳さんと過ごした少年時代を振り返り、「子どもの頃は寂しかった」と告白した。イベントには、原作者のさだまさしをはじめ、南果歩、藤竜也、美山加恋、矢野聖人、田中光敏監督も出席した。
試写会を前にした会見で「子どもの時は、僕もちょっと寂しい思いをしていたなって思います」と少年時代を振り返った緒形は「そういえば遠くから時々、父が手紙をくれた。一言『元気だ』って。それがとてもうれしかった」としみじみ。一方、さだから「お父さんの映画を観るって言っても、濡れ場ばっかりだしね」と冗談交じりに返されると「そうなんです。だから小さい頃は見せてもらえませんでした」と語り、周囲の笑顔を誘った。
さらに本作について「熱い現場で、良い緊張感の中でやらせていただいた」と緒形。続けて「藤さんや南さんがいろいろなアイデアを出してくれて、本当にありがたかった。自分も演じていて、劇中の何げない『ありがとう』っていうセリフをとてもいい言葉だと思えた」と共演者への感謝を述べる。
そんな緒形について、さだが「とにかく真面目。見たままの人」とその人柄に触れると、父親役を務めた藤も「こんな出来の良い息子がいたらいいなと思った」とコメント。妻役の南も「とても誠実な方で、共演していてすごい安心感があって、(緒形に)おんぶに抱っこに肩車な撮影だった」と声を掛けるなど、そろって緒形の人柄をたたえていた。
本作は家族を顧みず妻(南果歩)や息子(矢野聖人)、娘(美山加恋)との関係が悪化していた主人公・俊介(緒形直人)が、父(藤竜也)の認知症の発症をきっかけに、家族の絆を取り戻そうとする姿を描いたヒューマンストーリー。(取材・文:名鹿祥史)
映画『サクラサク』は4月5日より全国公開