綾野剛はイーストウッドを思わせる!主演作がモントリオール出品決定で高評価
俳優の綾野剛が10日、國學院大學で行われた主演映画『そこのみにて光輝く』の試写会に呉美保監督と出席した。この日は、本作が8月からカナダで行われる「モントリオール世界映画祭」のコンペティション部門に正式出品されることも明らかになった。
同映画祭創設者のセルジュ・ロジーク氏による「綾野剛の寡黙なたたずまいがクリント・イーストウッドを思わせる」というコメントが読み上げられると、綾野は「光栄です。この作品は良くも悪くも何かしらの形で評価されてほしいと思っていたので、コンペに参加できるだけでうれしい」と喜びを語る。
この日の綾野は、金髪に黒いスーツ姿で学生たちの前に登場。「学業に専念されている環境にお邪魔するのは、場違いな感じ」と恐縮しつつ、就職活動を控えた学生から社会人としてアドバイスを求められると「影響されることを恐れず、変化することを恐れず、おごらず、大人たちにもこびず、謙虚に」と熱の入ったエールを送った。
本作は映画『海炭市叙景』の原作者、佐藤泰志の同名小説が原作。北海道函館を舞台に、ある理由から仕事を失った男がバラックに住む女と出会い、家族のために必死に生きる彼女を愛し続ける姿を描く。綾野は、本作がメジャー配給の作品ではないことに触れ、「映画の規模を逆手にとって、この規模だからこそのアプローチができるはずだと思った」とコメント。飲み歩く生活を送る主人公を演じるため、プロデューサーや監督に許可を取った上で「毎晩飲んで、二日酔いのまま目を赤くして、顔が腫れている状態で撮影した」と明かすと、「暴力的なシーンでも全部、(実際に)当てているんですよ」とまさに生身で体現した演技を振り返った。
そんな綾野を呉監督も絶賛。朝に二日酔いのシーン、その後シリアスな場面を撮影した日があったことに触れると「腫れた顔をどうするのか不安だったけど、いろいろとやったみたいでシリアスなシーンではすっとした顔で来てくれた。きちっとコントロールができているんだなと、感動しました」とその役者魂をたたえていた。(中村好伸)
映画『そこのみにて光輝く』は4月19日より公開