「パトレイバー」押井守監督&千葉繁、シバシゲオ秘話を語る!
「機動警察パトレイバー」の実写版プロジェクト第1弾『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章』の大ヒット記念トークショー「マモルの部屋」が15日、新宿ピカデリーで行われ、総監督を務めた押井守と声優・俳優の千葉繁が出席した。
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「マモルの部屋」というイベント名に、ホストを務める押井監督は「ひどいタイトルですね」と毒づくと、「2回目以降のゲストは決まっていないですが、呼びたくない野郎が多いですからね。みんなが期待しているような、あいつとかは呼びません。なるべくきれいどころを呼びたいと思います」と宣言。会場の喝采を浴びていた。
第1回のゲストは、押井監督の盟友でもある千葉。二人の出会いについて「『ニルスのふしぎな旅』ではなく、タイムボカンシリーズの『ガッチャマン』か『ヤッターマン』のときだった」と振り返る押井監督であったが、その後の押井×千葉コンビを世間に印象付けた「うる星やつら」のときでさえ、ほとんど会話はなかったという。
そのころを千葉は「“男と女の間には暗くて深い河がある”じゃないですけど、昔は、役者とスタッフは、調整室をさえぎるガラスを越えて交流することがあまりなかったんですよ」と述懐。そんな二人が仲良くなったのは、千葉主演で押井監督がメガホンを取った実写作品『紅い眼鏡』(1987年)以降のことだという。
その千葉が『パトレイバー』でふんするのは、同作のアニメと実写、両方に登場する唯一のキャラクター、特車二課整備班のシバシゲオだ。「僕が作ったのか記憶が定かではないが、千葉くんをモデルにしたのは間違いない」とそのキャラクターを説明する押井監督に、千葉は「アフレコに行ったら、画面に俺がいたんですよ!」と笑いながら付け加える。
演出にあたっては、常にアドリブ全開の千葉だけに「アニメのときからお任せに近かった。どうせ全部アドリブになるから、演技指導しても同じ」と感じていたという押井監督。「シバに関しては、アドリブはそんなには入れていなかったと思う」と言い張る千葉に対しても、首を横に振る。「(セリフの)半分はアドリブだった」と続けた監督のツッコみに対する「じゃ、半分はちゃんとしゃべっているってことでしょ!」という千葉の返しに、会場は大いに沸いていた。(取材・文:壬生智裕)
『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章』は全国公開中