オタクがアメリカを席巻中!?コミコンにテレビドラマなど、大衆文化として浸透
今や「クールジャパン」の一環として、日本の輸出産業にまで発展しつつあるマンガやアニメなどのオタク文化。実はアメリカでも、近年オタクを主人公にしたテレビドラマが大ヒットするなど、その存在がクローズアップされているようだ。
とはいえ、一口にオタクといっても日本とアメリカでは少なからず違いがある。例えば、英語では日本語のオタクに該当する言葉がない。確かに日本の漫画やアニメのファンを指す言葉として「Otaku」が一部で認知されているが、決して一般的とはいえないだろう。最も近いのは「Geek」(技術系・科学系オタク)や「Nerd」(文化系オタク)だが、それらも日本人の考えるオタクの概念とは微妙にズレる。
オタクの祭典である日本のコミックマーケット(コミケ)とアメリカのコミックコンベンション(コミコン)を比較するとイメージしやすいかもしれない。日本のコミケがマンガやアニメ、アイドルを中心に展開しているのに対し、コミコンはそれらを含む大衆文化全般を網羅している。アメコミや日本のマンガ、アニメ、コスプレはもちろんのこと、SFやホラー、アクションなどジャンル系の映画やドラマ、ゲーム、おもちゃ、さらにはSF&怪奇幻想系の文学など、その守備範囲は驚くほど広い。
かつてはアメリカでもオタクは日陰者だったが、ここ数年はサンディエゴのコミコンの1日来場者制限数12万5,000人分の前売りパスが全日ソールドアウトするなど、もはや社会的に無視できない存在に。Geek Chicというオタク風のおしゃれスタイルがトレンドになるなど、ネガティブなイメージも薄れてきている。
テレビの世界でも、SF系のコミックや映画などを偏愛する天才オタクたちを描く「ビッグバン★セオリー」がコメディードラマの全米視聴者数1位を記録。主演のジム・パーソンズがエミー賞を3度受賞し、現在はシーズン7が放送中だ。また、オタクの家電量販店店員が凄腕スパイになってしまうアクションドラマ「CHUCK/チャック」も大評判となった。かくして、着実に浸透しつつあるアメリカのオタクたち。その勢いはまだまだ衰えそうにない。(なかざわひでゆき)
「ビッグバン★セオリー<サード・シーズン> コンプリート・ボックス」1万260円(税込み)はワーナー・ホーム・ビデオより5月2日DVDリリース、レンタル同時開始