原恵一監督の最新作は「葛飾北斎」を描くアニメ!江戸の娯楽群像劇に
映画『カラフル』『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』などの原恵一監督の新作アニメーションが『百日紅(さるすべり)』に決定した。原作は、江戸風俗研究家であり、漫画家・文筆家でもある杉浦日向子の漫画代表作「百日紅」。国際的にも高い評価を得ている原監督が、浮世絵師・葛飾北斎を取り巻く人々の交流を娯楽群像劇として描き出す。
本作の舞台は江戸時代。浮世絵師として3万点を超える作品を発表し、今もなお世界中を魅了し続けている葛飾北斎と、その制作の裏で北斎を支え続けた娘・お栄を通し、江戸に生きる人々の姿を描く。原監督は「百日紅」をアニメ映画化することにした理由について「杉浦日向子さんの作品の中でも、特に『百日紅』は現実と幻想、人の生死や日常、季節の移り変わりが、とてもリアリティーある描写で描かれていて、画面も変化に富んだ作品が作れると感じました」と説明している。
アニメーション制作を手掛けるのは『ももへの手紙』や「攻殻機動隊」などのProduction I.Gで、原監督はアニメのカンヌ映画祭といえる「アヌシー国際アニメーション映画祭」(現地時間6月9日~14日)に出席して本作の製作発表を行う予定。2011年の同映画祭では『カラフル』で長編部門特別賞&観客賞を受賞している原監督だけに、世界から注目を浴びることは必至だろう。
原監督は「本作を映像化するにあたって、現実味のある『時代劇』にしたいと思うのと同時に、杉浦日向子さんという素晴らしい作家のことをもっと知ってもらえたらうれしいです」と意気込みを語っている。『百日紅(さるすべり)』の完成は2014年、日本公開は2015年を予定している。(編集部・市川遥)