週を追うごとに成績がアップ!映画界の常識を覆した『アナと雪の女王』の勢い
今月19日に興行収入100億円を突破し、今週23日には興行収入111億円を記録して、洋画アニメーション史上最大のヒット作となった映画『アナと雪の女王』。公開から1か月以上が経った現在もその勢いは衰えておらず、昨年の国内興行成績ナンバーワンとなった『風立ちぬ』(約120億円)の成績を超えるのは時間の問題だ。ここでは『アナと雪の女王』の興行成績に触れ、その勢いの秘密に迫った。
『アナと雪の女王』は先月14日より全国598スクリーンで公開。最初の土日2日間(3/15,16)で動員60万2,347人、興収7億6,338万9,450円を上げる大ヒットスタートを切ると、2週目の週末(3/22,23)は前週動員比113パーセント、同3週目(3/29,30)は前週比101パーセントと週を追うごとに成績を上げた。同4週目(4/5,6)は前週比93パーセントと数字を落としたものの、これは春休みが終わったため。その証拠に、同5週目(4/12,13)は前週比97パーセントとほぼ横ばいとなっている。(数字は興行通信社、文化通信社など調べ)
映画興行では初週の数字が最も高く、あとは成績が徐々に落ちていくというのが通常の流れとなっている。というのも、毎週のように新作が公開される現在の映画興行では、劇場側は新作を上映するため、旧作のスクリーン数や上映回数を減らす必要があるからだ。スクリーン数や上映回数を減らせば、それに比例して、当然成績も落ちていく。
だが『アナと雪の女王』では、週を追うごとに成績が高くなっている。これはなぜなのだろうか?
配給のウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンによると、6週目が開始した4月19日時点で、『アナと雪の女王』のスクリーン数は初週と変わっていないとのこと。それだけでも驚くべきことだが、劇場によってはあまりにも観客が押し寄せたため、上映回数を増やし、収容人数の大きいスクリーンに変更するといった対応に追われたところもあったという。
これが、週を追うごとに『アナと雪の女王』の成績が上がっている要因だ。スクリーン数は変わらなくとも、上映回数が多くなり、劇場の規模が大きくなれば、観客動員数は増えることになる。もちろん、これはどんな作品でもできることではなく、劇場が「この作品ならば、お客が来てくれる」と確信したからこそできたこと。今や話題にならない日はないほどメディアに取り上げられている『アナと雪の女王』ならではの現象といえるだろう。
今週末からは3D吹き替え版・みんなで歌おう♪版の興行もスタートし、さらに数字を伸ばすと予想されている。ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給作品歴代興収1位の『アルマゲドン』(135億円・1998年公開)の突破は確実視されており、今後は『アバター』(156億円・2009年公開)にどこまで迫ることができるかが一つのポイントになるだろう。(編集部・福田麗)
映画『アナと雪の女王』は公開中