伊藤英明、“海猿”から“山猿”へ 知られざる山男生活を明かす
映画・ドラマ化された「海猿」シリーズで俳優としての地位を確立し、『悪の教典』(2012)で怪演したサイコパス(反社会性人格障害)が話題を呼んだ伊藤英明。新作『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(5月10日公開、矢口史靖監督)で林業の天才・ヨキを演じ、再び新境地を開拓した伊藤が、“山猿”にふんするために行った秘話を明かした。
撮影現場は携帯電話の電波も入らない山や村。伊藤は山での生活リズムに慣れるため「撮影の2時間くらい前に起きて、山を歩いて、帰ってきたらひとっぷろ浴びて、毎日ステーキを食べる。ワイルド感を出すには肉食にしなきゃと思って」と徹底して心身を順応させた。
虫の音が鳴り響く夜は「窓もカーテンも開けっ放しで、薄暗くなった真っ黒な山を見ながら眠りについた。すごく気持ちよかった」と土地の住人さながらの暮らしを実践。一本気な山の男を象徴するような髪型も自分でバリカンを入れていたといい、「伸びたら自分で切ったりしていた。ヨキはそういう人だと思う」と撮影中は演じるキャラクターのことを第一に考えた生活に終始したという伊藤。
劇中では自分より長く生きている木を本番一発勝負で見事に切り倒しており、「おおげさじゃなく、自然の大先輩を倒させてもらうという感覚だった。監督の責任で実際に木を切らせてくれるってことは、役として乗って演じられるので、すごくありがたかった」と矢口監督やスタッフへの感謝を表した。
今年39歳になるが、「今が役者として一番難しい年齢じゃないかな。40歳前って、学生役ができるわけじゃないし、俺は貫録のあるお父さんや上司ともちょっと違う。だからこそ、役を大事に演じて、毎回毎回『俺にできるかな』っていう役をいただけることがすごく幸せなこと」と自負した姿から、また新しい「伊藤英明」を期待させた。(編集部・小松芙未)