大島渚監督『青春残酷物語』デジタル修復版がカンヌ上映
昨年1月に80歳で亡くなった大島渚監督が手掛けた映画『青春残酷物語』(1960年)のデジタル修復版が、今月14日(現地時間)から開幕する第67回カンヌ国際映画祭のカンヌクラシック部門でワールドプレミア上映されることが決定した。
カンヌクラシック部門は2004年に映画祭の一部門として設立。過去の名作の再発見、修復された偉大な作品の紹介などを目的としており、これまで日本映画では、『風の谷のナウシカ』『ツィゴイネルワイゼン』『楢山節考』『秋刀魚の味』などが選出されている。
スキャン、修復、DCP(デジタル上映用の素材化)にいたるまで作業は超高解像度のフル4Kで行われ、画像監修は当時のカメラマンにして大島監督の盟友・川又昂と、『小さいおうち』『東京家族』など山田洋次監督作の撮影を務めた近森眞史が担当。音声も保存状態が原因のノイズがクリアにされ、最新技術を駆使したデジタル4K修復版が完成した。
世界的な評価を受ける大島監督はカンヌとの縁も深く、1978年には『愛の亡霊』で最優秀監督賞を受賞。また『戦場のメリークリスマス』『マックス、モン・アムール』『御法度』がコンペティション部門に出品されたほか、『愛のコリーダ』(監督週間オープニング作品)など6作品が現地で上映されている。(編集部・入倉功一)