アメリカで活動する中島央監督、長編2作目は「ターニングポイントになった」
10日、アメリカで映画を学び、活躍する中島央監督の長編作品第2弾『シークレット・チルドレン』が公開初日を迎え、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた舞台あいさつに中島監督が出席した。トレードマークともいえるサングラスをかけて登場した中島監督は「映画監督を続けていく上で非常に大きな意味があって、ターニングポイントになった映画でした」と感無量な思いを語った。
同作はアメリカで映画製作を学び、海外キャストによる『Lily』で長編映画デビューを果たした中島監督が手掛けたSFドラマ。人と、人によって作られた“シークレット・チルドレン”と呼ばれるクローンが共存する近未来を舞台に、新大統領が掲げた「クローン廃絶運動」により迫害を受け、絶滅に追い込まれるクローンたちの悲しさ、そして生き残るための戦いを描く。
企画スタートから約2年、いよいよ公開初日を迎え、舞台あいさつに立った中島監督は「やっと自分が求めるストーリーというものに『これだ』と思えた作品で、このスクリーンで上映できるのをうれしく思っています」と感慨深い表情。「よほどこの物語に対して思い入れがないと、その期間はもたないと思っていました。でも、脚本を書いている時からこの物語を伝えたいという強い思いがあり、いくら疲れてもこのその気持ちがあったので持続できました」と情熱で進み続けた2年間を振り返った。
また、作品に込めたテーマについては「クローンはわれわれ自身の姿と思って描いています。厳しい時代の中でどうやって希望を失わずに生き残るべきかを伝えたくて描きました」と解説。日本人ながら海外のキャスト・スタッフで映画を製作することには「よく聞かれるけど、アメリカで映画を作り始めたので、日本人だから大変というのは一度も感じたことがありません」と話し、「どんな映画でも撮影自体すごく大変だと思います。毎日時間に追われて、時間をかければかけるほどお金も減っていって」と映画製作に国境はないという自説を展開した。(中村好伸)
映画『シークレット・チルドレン』は公開中