松山ケンイチ&蒼井優、いっぱいいっぱいだった山岳ロケ撮影秘話を明かす!
立山連峰最高峰・大汝山を舞台にした映画『春を背負って』で過酷な山岳ロケに臨んだ松山ケンイチと蒼井優が、今だから話せる撮影のウラ話を明かした。
映画『劔岳 点の記』の木村大作監督が、再び北アルプス立山連峰での撮影に挑んだ本作。父の遺(のこ)した山小屋を継ぐ主人公を演じた松山と、山小屋で働くヒロイン役の蒼井優は、ロケ地となった標高3,015メートルの大汝山に5回も足を運んだという。
「最初は登るだけで精いっぱいだったんですが、登っている最中に気持ちが楽になっていくんです。最後の方は、優ちゃんと話しながら登れるくらいになりました」と明るく語る松山。すると蒼井が、「松山さんの方が山に慣れるのが早かったんですよ。わたしはすごくしんどくて、『話し掛けないでほしい!』って思っていました(笑)」と、登山中におしゃべりを楽しんでいたのは松山だけだった事実を暴露。
さらに、松山が仲間役の豊川悦司を背負って雪山を下りるシーンについて、「とにかく急いで無事に山を下りなきゃいけないと必死だったんですけど、豊川さんが誰かに背負われることなんてめったにないので、僕だけが背負えるという優越感に浸っていました(笑)」とユーモアを交えつつ答えると、蒼井が「そんな余裕はなかったでしょ! いっぱいいっぱいだったよ!」とすかさず口を挟む。松山は蒼井のツッコミが楽しくて仕方がないようで、朗らかに笑い合う二人の様子から信頼関係の強さが伝わってくる。
とはいえ、今だからこそ笑って話せるのだろう。実際は、一歩間違えれば崖から転落してしまう危険な雪山でのロケ。「自分の命は自分で守らなければいけない現場でした。よくよく考えてみると、あんな場所をよく歩けたなと思う」としみじみ振り返る蒼井の真剣な表情が、撮影の過酷さを物語る。その分、大自然が織り成すスペクタクルは圧巻の一言で、松山自身も「すごくいい作品になっていました。自然と人間が同化しているように見えて本当にスゴイ」と仕上がりに太鼓判を押した。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『春を背負って』は6月14日より全国東宝系にて公開