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涙の綾戸智恵、覚悟を語る 『かぞくのくに』ヤン・ヨンヒ監督の新作

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「真実を知ると怖いものなし」と語った綾戸智恵
「真実を知ると怖いものなし」と語った綾戸智恵

 ジャズシンガーの綾戸智恵に密着したドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 綾戸智恵 その歌声が変わった日 ~父と母の痛みを抱いて~」の試写会が20日、都内で行われ、綾戸とディレクターを務めた映画監督のヤン・ヨンヒが出席。綾戸は時折涙を見せながら、本番組への覚悟を語った。

涙も満面の笑顔を見せた綾戸智恵とヤン・ヨンヒ監督!フォトギャラリー

 本作は、綾戸が「あなたが父親と思ってきた人とは別に、実は本当の父がいる」と認知症の母親から告白を受けたのを機に、自身のルーツを知る旅に出る姿を追ったドキュメンタリー。綾戸と20年来の親交があるヨンヒ監督にとって、米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選ばれた『かぞくのくに』(2012年公開)以来の作品となり、綾戸からの直接の依頼によって撮影がスタートした。

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 綾戸は「隠さず全部出す。そんなもんもあってええんやないかと思ってね。捨て身でやりました」と映像化の理由を明かす。番組では実父がすでに他界し、関西を拠点に活動していた旅芸人だったことが判明。知人から父の写真を受け取り、動揺を隠しきれず号泣する綾戸の姿などが生々しく映し出される。

 綾戸は父の写真に触れた瞬間を「毛穴ぱちぱち。熱すぎる風呂に入った感じ」と振り返り、「でも、逆にこれで歌い続けていけると思った。真実を知ると怖いものなし」とコメント。時折涙を見せながら、「ここにわたしの答えがあるといえる番組を作っていただいた」と製作陣に感謝の気持ちも述べた。

 ヨンヒ監督は「『やっぱり撮るのをやめて』といつ言われるか、ビクビクしながら撮っていました。でも、智恵さんはやめるとは一度も言わなかった。『人様の前に出るのがわたしの仕事や』と。堂々と生きている姿はあっぱれとしかいいようがない」と称賛。「事実を受け入れて全部音楽に思いを持っていく綾戸智恵は本当の音楽の人だなと思った」としみじみ語った。

 この日は綾戸と親交の深いファッションデザイナーのコシノジュンコも姿を見せ、綾戸ら関係者と一緒に番組を鑑賞。綾戸から「親のことを誇りに思う大切さを教えてくださったコシノジュンコさんです」と紹介を受ける場面もあった。(取材・文:名鹿祥史)

「ノンフィクションW 綾戸智恵 その歌声が変わった日 ~父と母の痛みを抱いて~」は5月30日22時よりWOWOWプライムにて放送

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