ダン・フォグラーがストーナー映画の新作と『ファンボーイズ』の続編について語る
映画『ファンボーイズ』のダン・フォグラーが、新作『ドン・ピヨーテ(原題) / Don Peyote』について語った。
本作は、麻薬常習者で無職のウォーレン(ダン・フォグラー)が、ある日ホームレスの男に世紀末が近づいていると告げられ、マヤ暦による2012年の世紀末を信じ、婚約者がウエディングを準備する最中、世紀末を題材にしたドキュメンタリーを製作していくというもの。ダンは、本作で主演兼共同脚本と共同監督を務めた。
本作の企画の経緯について「僕が2010年に結婚する前から企画していた。結婚準備のストレスがたまっていたのと同時期に、マヤ暦の2012年の世紀末を多くの人々が気にしていて、そんな自分と世間が繊細な感覚を持ち合わせていた状況をドキュメンタリータッチで撮りたいと思ったんだ。そのため今作は、自分の人生からある程度引き出していて、最初は僕の結婚式の準備過程やマヤ暦の2012年の世紀末に関する人々へのインタビューをドキュメンタリーとして撮り、その映像を基に製作資金を集めた」と明かした。
低予算だが、アン・ハサウェイ、ジョシュ・デュアメル、ジェイ・バルシェルなどが脇役で出演している。「アンは友人で、同じマネージャーが居るんだ。彼女に映画のコンセプトを送り、ほとんどは即興でやるように伝えると、実際に(麻薬でウォーレンがハイの状態の時に)アンはパンクロックのような格好で登場し、映画『マトリックス』のように、僕の頭の中にある情報を入手しようとするシーンを演じてくれた。ジョシュやジェイも、アンのように、どこかこれまでの作品とは違ったものを求めて参加してくれた」と感謝した。
今作を製作するうえで影響を受けた作品は「今作は60年代の実験的な作品のようでもあって、映画『イージー・ライダー』の製作過程に大きな影響を受けた。その他には、ジョン・カサヴェテスの映画のように、俳優が居て、カメラがあれば街に出て撮影する、そんな意気込みの映画を作りたかった」と答えた。
最後にカルト的に人気を誇る映画『ファンボーイズ』の続編について「新作『スター・ウォーズ/エピソード7(仮題)』が製作されるため、そのファンを描いた僕らの映画の続編の可能性は十分あると思っている」と答えた。
映画は、一口で言えばストーナー映画(ハイの状態で鑑賞すると面白い作品)で、さまざまなジャンルと要素が加わり、実験的で興味深い作品だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)