日本人初!平柳監督、桃井かおり出演作でカンヌ学生部門2位!
第67回カンヌ国際映画祭
開催中の第67回カンヌ国際映画祭で現地時間22日、桃井かおりが出演した日本の平柳敦子監督作『Oh Lucy!』が学生たちの作品から選ばれるシネフォンダシヨン部門で、全16作品中で、2位に入賞した。日本人の受賞は初。
授賞式で監督は涙を見せながら「わたしの家族が全員ここにいるので、とても感情的になってしまい申し訳ありません。映画を制作するということは、とてもとても大変なことです。何よりもわたしが撮影や編集でカンヅメになっていたとき、2人の子供たちの面倒をみてくれていた両親、支えてくれた仲間たちに感謝したい」と語った。
シンガポールのニューヨーク大学ティッシュ芸術学部アジア校で学んだ平柳監督は、企画段階から桃井を主役に本作を撮りたいと考えていたそう。キャスティングが進むにつれ「この役をどうしてもお願いしたい」と桃井が住むアメリカ・ロサンゼルスまで渡り直接交渉したという。
本作は、めいの代わりに英会話学校に通うことになった、桃井演じる地味な女性会社員が、「ルーシー」というニックネームで英会話の授業を受けるうちに、自分を発見していく姿を描く短編作品。平柳監督は「わたしはいつもみんなの中心にいるよりも、陰の方にいる人間に興味がある。この映画も、とても近い身内をモデルにしているんです」と語った。
受賞を受け、これまで支えてくれた家族や仲間への感謝を述べた平柳監督。現在は本作の長編化と同時に、新たな企画を進めているという。今回コンペティション部門に出品している河瀬直美監督に続いて、カンヌで見いだされた新たな女性監督の活躍に期待したい。(編集部・森田真帆)