宝田明、ハリウッド版『GODZILLA』に感涙
全世界で大ヒット中のハリウッド再リメイク版『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督が来日し、5日、ゴジラ生誕の地である東京・東宝スタジオに出現した「ゴジラ」巨大壁画の落成式に出席した。この壁画は、今年がオリジナル版『ゴジラ』のスクリーン登場から60年目にあたることを記念した「ゴジラ60周年」プロジェクトの一環で製作されたもの。1954年の第1作『ゴジラ』に主演した宝田明も登壇し、二人が熱く「ゴジラ愛」を語り合った。
あいにくの雨模様だったこの日だが、落成式の時間が近づくと雨が上がり、「天の粋な計らいです」と言いながら宝田が巨大壁画の除幕の発声をすると、高さ12.3メートル×横幅17.6メートルにおよぶスケールで、オリジナル版同様に、モノクロで描かれたド迫力のゴジラが姿を現した。エドワーズ監督は「ゴジラの故郷の東宝スタジオに来られて光栄です。ゴジラは怪獣のキング、宝田さんは怪獣映画のキングです」とにっこり。この壁画は、アーティストの塙雅夫氏が3か月の間、ほぼ1人で、絵筆による手描きで仕上げたものだという。
除幕式後に行われた記者会見で、宝田はエドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』について「ギャレスさんは、ゴジラについて大変勉強をされたと聞いている。アメリカで2度、観ましたが、ゴジラの登場を今か今かと待っている観客の興奮が伝わってきて、ゴジラが登場すると、みんな立ち上がってわーって拍手するんです。その光景を見て涙が出てきました。世界でこんなに愛されているのかって。素晴らしい出来でした。でもわたしとしては、もっとたくさんゴジラが出てきてほしかったかな」とエドワーズ監督の方を向いてニヤリ。
これに対して監督は「なかなか見えない方がサスペンスを生むというのを『ジョーズ』や『エイリアン』など、子供のころに観た映画から学びました。東宝のオリジナルのゴジラに忠実に作ろうと思いましたが、ここはゴジラを生んだ国。日本でヒットしない限り、わたしは自分を祝福できません。スタッフと一緒にリストバンドをしているんですが、日本での公開がこの旅の終わりで、日本で成功できたら、このリストバンドを取ろうと思っています」と語った。最後にエドワーズ監督は「わたしが産み落とした(新しい)子供を日本の皆さんに戻します。これを愛していただければ。そしてうまくいけば、次作も撮りたい」とちゃめっ気たっぷりに笑っていた。(取材・岸田智)
映画『GODZILLA ゴジラ』は7月25日より2D / 3D(字幕スーパー版 / 日本語吹き替え版)公開
映画『ゴジラ』(1954)の60周年記念デジタルリマスター版は6月7日より全国東宝系で公開