芦田愛菜、台本を全く見ずに本読みする衝撃!行定勲監督が天才子役を分析
『世界の中心で、愛をさけぶ』『北の零年』など日本映画史に残る数々のヒット作を生み出してきた行定勲監督が、映画『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』で初タッグを組んだ、天才子役・芦田愛菜の魅力を分析した。
本作は、大阪の団地で大家族と共に暮らすエキセントリックな小学3年生の女の子・こっこのひと夏の成長をハートフルに描いた作品。行定監督が本作を作るきっかけとなったのは2011年3月に起きた東日本大震災だったという。「震災以降、僕らは今後どういう映画を作るべきかと考えていたときに、この原作に出会いました。そのとき、作中に出てくる“イマジン”という言葉に強く惹(ひ)かれました。あの日から東北の方々とどう接するべきなのか、などどうしても整理がつかなかった自分に、大きな何かを与えてくれた言葉だったんですよね」と語る。
ジョン・レノンが平和を歌ってから何十年もたっているにもかかわらず、世界は一向に平和にならない。これから自分たちがどう生きていけばいいのか。想像(イマジン)することで相手の気持ちを少しだけ理解することができる。そういったメッセージを、行定監督はこっこというキャラクターを通して大人たちに伝えていく。その、こっこを演じるのが、天才子役としてテレビや映画で活躍中の芦田愛菜。彼女は本作で映画初主演を飾ることとなる。
芦田について、行定監督は「素晴らしい才能を持った女優さんです」ときっぱり。「表情が実に多彩だし、何よりも驚いたのは、彼女の演技に対する情熱です。最初の本読みのときに、彼女は台本を持たずに来た。誰よりもセリフの量が多いはずの彼女が、一切台本を見ないんです。その衝撃はすさまじかったです」。芦田は現場でも、共演者の子役たちを座長として引っ張っていったという。
『遠くの空に消えた』で神木隆之介の才能を伸ばした行定監督は、「愛菜ちゃんには、神木くんと一緒に仕事をしたときに感じた天才ならではの雰囲気がある。それに彼女と神木くんに共通しているのは芝居が大好きだということ」とニッコリ。行定監督のもとで天真爛漫(らんまん)にスクリーンを駆け巡る芦田の姿からは、彼女の輝ける未来を予感させる。(編集部・森田真帆)
映画『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』は6月21日より全国公開