松尾スズキ&松田龍平、10年ぶりタッグ作がクランクアップ!
松尾スズキと松田龍平が監督・主演として10年ぶりにタッグを組んだ映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』がこのほど都内でクランクアップを迎え、主演の松田ほか、共演の阿部サダヲ、松たか子が撮影を振り返った。最後、監督から花束を贈呈された松田は、「メインロケ地の福島でアップしたかったなぁという気持ちもありますが、楽しかったです。『恋の門』以来、10年ぶりの松尾組でしたが、撮影が終わって、今振り返ってみると、10年前よりも客観的な視点を持って現場にいられたかな、という気がしています」と自身の成長を実感した様子だ。
同作は、漫画家いがらしみきおが「ビッグコミック」(小学館)に連載していたコミックを原作に、お金を1円も使わずに生きることを決意した主人公・武晴と、彼を支える村人たちとの奇妙な交流を描いたスラップスティックコメディー。松田、阿部、松、二階堂ふみ、西田敏行に加え、片桐はいり、中村優子、オクイシュージ、モロ師岡、村杉蝉之介、伊勢志摩、荒川良々、皆川猿時らが出演。また、松尾監督自身もヤクザ・多治見という重要な役どころを担う。
病院も学校も警察も郵便局もなくなった限界集落・かむろば村のロケ地として松尾監督が選んだのは、福島県河沼郡柳津町。5月7日に柳津でクランクインし、約1か月にわたるロケを経て、今月4日に都内でクランクアップ。松田は撮影について「台本に書かれていないことが、演出として次々と松尾さんから出てくるので、どのシーンも刺激的で楽しく、それ故不安もありました」と明かしたが、「かたくなにお金を使わない武晴を、周りの一風変わった人たちが、何とかして助けようとする、いい話になっているのではないかと思います。僕自身、仕上がりが楽しみです」と締めくくっていた。
また、かむろば村の村長・与三郎を演じた阿部は「撮影は朝早い日が多かったのですが、時間の流れが良くて、とてもいい過ごし方ができました。松尾さんとは、長編映画で組むのは初めてでしたが、映画でも舞台でも演出の仕方は変わらないので、安心して挑めました」とコメント。その妻・亜希子を演じた松も「撮影は町のあらゆるところを活用させていただけて、集中してできたので、とても幸運だったと思います。柳津の町に溶け込ませていただいて、なじませていただけたのが良かったです」と充実のロケを振り返った。
これが7年ぶりの映画監督作となる松尾監督はクランクアップ直後に「すごく濃いメンツに集まってもらい、今までにない演技をしてもらいました。完成を楽しみに待っていてください」と手応えを明かし、仕上がりへの自信をのぞかせた。(編集部・福田麗)
映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』は2015年春、全国公開