ポール・ベタニーから若者たちへ「携帯ではなく相手の目を見て」
天才科学者ウィル(ジョニー・デップ)の意識がアップロードされた人工知能が人類の知性を超越するさまを描いたSF映画『トランセンデンス』に出演している個性派俳優のポール・ベタニーが、テクノロジーに依存する現代の人間関係を憂えた。ポールは本作でウィルの友人にして、人工知能のいきすぎに警鐘を鳴らす神経生物学者のマックスを演じている。
マックス同様、テクノロジーとは適度な距離を置いているというポールは、「カフェに居る若者を見るけど、携帯をいじっていて相手の目も見ないんだよ」と切り出すと、「僕が若かった時は好きな子の目を子犬みたいにじっと見つめたものさ。本当は飲めないエスプレッソと本当は読んでない本を手に一人席に座って、美人が僕に気付くのを待ってみたりね(笑)。でもこんな光景、今はもう見られない。誰も目も見ないんだよ。どうやって今の人たちが関係を築けているのか、もう僕には全くわからないよ」と一気にまくし立てる。
ポールは『ビューティフル・マインド』(2001)の共演で出会って結婚したジェニファー・コネリーとの間に3人の子供を持つ父でもある。「仕事で家を離れている時は子供たちとスカイプをする。でも家に戻れば携帯なんかどこかへやっちゃうよ。何でいまいましいメッセージをチェックするために指紋を残さなくちゃいけないんだ?」と必要な時は積極的に活用しながらも、携帯に支配されるような生活にはうんざりしている様子。
さらに「それで仕事や人に会う機会を逃したことはない。僕と連絡が取りたければ、電話してくれればいいだけだから」とメール、ツイッター、Facebookなどをしていなくても何の支障もないと力説したポール。若者たちへ「確かに携帯でたくさんの人たちとつながることができるかもしれない。だけどそれが何だっていうんだ? 現実に隣に座っている人を気にしろよ」と熱いメッセージを送った。(編集部・市川遥)
映画『トランセンデンス』は6月28日より全国公開