『私の男』モスクワ映画祭で作品賞&男優賞W受賞の快挙!
俳優の浅野忠信と二階堂ふみの主演映画『私の男』(熊切和嘉監督)が現地時間28日、第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門で、最優秀作品賞と最優秀男優賞をダブル受賞する快挙を達成した。日本映画の作品賞受賞は、新藤兼人監督『生きたい』(1999)以来15年ぶり、男優賞受賞は神山征二郎監督『ふるさと』(1983)の加藤嘉以来31年ぶり2人目となる。
新藤監督や黒澤明監督(1975年の『デルス・ウザーラ』)も受賞した作品賞を獲得した熊切監督は「『私の男』は企画段階から完成に至るまで、さまざまなトラブルに見舞われた映画でした。それが、モスクワ国際映画祭でグランプリ&主演男優賞だなんて、神様もいたんだなあと! 最高です!」と歓喜。「『私の男』が今までで一番、『やりたい放題』やらせていただいた映画でした。映画を志していた少年時代に抱いていた思いが、確信に変わりました。これからは、より気合を込めて『やりたい放題』やっていこうと思います」と決意を明かした。
一方、日本人としては31年ぶりとなる主演男優賞を受賞した浅野も「とてもうれしいです! この作品に対しての意気込みや思い入れは、誰にも負けないものでしたし、役づくりに関しても、与えられた時間を生かし見えてくるものが大きかったため、力が入っていました」と喜びのコメント。別映画の撮影で現地入りはならなかったが、最高の結果に「まさかこんな形で報われるとは思っていなかったので、今は素直に皆さんに感謝しております。自分はまともでない時もありますが、自分の好きなことに対しての情熱を強く信じております。ですからどうかこれからも見続けていただけるとうれしいです」と呼び掛けた。
本作は、直木賞作家・桜庭一樹のベストセラー小説を映画化したラブストーリー。孤児となった少女(二階堂)と、彼女を引き取ることになった男(浅野)の禁断の関係を描く。今回の受賞に二階堂も「熊切監督おめでとうございます。浅野さんおめでとうございます。映画『私の男』おめでとうございます。モスクワの地でこの作品が評価されたことを幸せに思います。この作品に関われたことを誇りに思います」と喜びの声を送っている。
モスクワ国際映画祭は、1959年からロシア・モスクワで行われている国際映画祭。昨年は真木よう子主演の大森立嗣監督作『さよなら渓谷』が、日本映画として48年ぶりに審査委員特別賞を受賞している。(編集部・入倉功一)
映画『私の男』は新宿ピカデリーほかにて全国公開中