「クマのプーさん」のモデルになった森に危険信号 害獣被害が深刻化
ディズニーによるアニメ化でも知られるA・A・ミルンの童話「クマのプーさん」に出てくる「100エーカーの森」のモデルになったイギリス・アッシュダウンの森の害獣被害が深刻化しているとMirror Onlineが報じた。
アッシュダウンの森は風光明媚(めいび)な土地として知られており、ミルンが「100エーカーの森」のモデルにしたほか、挿絵を担当したE・H・シェパードも同地のスケッチを参考に挿絵を描いたといわれている。「クマのプーさん」が有名になって以降は、同作のファンが訪れる“聖地”となっていた。
だが、ハダースフィールド大学の研究チームによると、近年ネズミによる被害が深刻化。これまで使用されていた殺鼠剤への抵抗力を持った個体数が増大したため、ネズミの数は現在では数千匹に上っており、森に住む鳥や小動物の卵が食い荒らされるという事態が頻発しているのだという。
より効果の高い薬剤はあるものの、現在は屋外での使用が法律で禁じられているため、ネズミ捕りを設置するといった対策しか講じることができないとのこと。人への健康被害も懸念されており、害獣駆除のエキスパートは「被害が現実に出るようであれば、より効果の高い薬剤を使用してよいかどうか、政府に判断を仰ぐしかないでしょう」とコメントしている。
アッシュダウンの森の担当者は、害獣被害が研究で導き出されたように深刻でないことを祈っているとコメント。「アッシュダウンの森は、とても広いです。99パーセントのエリアではネズミはいないと思います。ネズミというのは、家や他の建物があるようなところに出没するものですからね」とMirror Onlineに答えている。(編集部・福田麗)