恍惚か、それとも苦悶か…ラース・フォン・トリアー最新作、意味深ビジュアル公開
映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』など数々の衝撃作を生み出したラース・フォン・トリアー監督の最新作『ニンフォマニアック Vol.1』『ニンフォマニアック Vol.2』の、過激かつセンセーショナルな内容を示すようなビジュアルが公開された。
『ニンフォマニアック Vol.1』『ニンフォマニアック Vol.2』意味深ビジュアルフォトギャラリー
本作は2部作全8章で構成された、自らをニンフォマニアック(色情狂)と認める一人の女性ジョー(シャルロット・ゲンズブール)の半生を描いた物語。凍えるような冬の夕暮れに一人倒れていたジョーは、彼女を介抱してくれた年配の独身男性に、幼いころから“性”に強い関心を抱いてきた自身の生い立ちについて語り始める。全編至るところに盛り込まれた激しい描写にとどまらず、物語、映像、演技などあらゆる面に仕掛けられたサプライズは同作を、娯楽性豊かな“喜劇”に仕上げている。
今回公開されたビジュアルは3種類。そのうちの一つは「性に目覚め、性に溺れ、愛を忘れた。」というキャッチコピーと共に、シャルロット・ゲンズブール、シャイア・ラブーフ、ユマ・サーマン、クリスチャン・スレイターら豪華出演者たち9名の顔のアップが配されたもの。その恍惚(こうこつ)とも苦悶(くもん)ともとれる生々しい表情が、シンプルかつ力強く作品の主題を表している。
そのほか、教室内でシンメトリーに配置されたデザインに囲まれている少女と「愛なんて、教わっていない。」と言い切る力強いコピーが際立つものや、絵画のように登場人物たちがポーズを取るものの、それぞれが欲に身を委ねているような印象を与えるものなど、どれも意味深なビジュアルばかり。今作に希望はあるのか、それとも絶望しかないのか、いっそう憶測が膨らむことだろう。(編集部・井本早紀)
『ニンフォマニアック Vol.1』は10月11日より、『ニンフォマニアック Vol.2』は11月1日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開