FOX主催の短編映画祭、結果発表!日本映画界には即戦力が必要?
28日、恵比寿のガーデンルームで「FOXムービー プレミアム短編映画祭 2014」授賞式が行われ、自分では決して回すことができないゼンマイを背中に持つ若い夫婦を描いた森ガキ侑大監督の『ゼンマイシキ夫婦』が最優秀賞を獲得した。この日の授賞式には俳優の中村蒼や、審査員を務めた作家の福井晴敏、映画監督の本広克行、20世紀フォックス日本代表のジェシー・リーも参加した。
「FOXムービー プレミアム短編映画祭 2014」登壇者フォトギャラリー
FOXグループが持つテレビメディアを通して、世界で通用するクリエイターの発掘、育成を目的とした本プロジェクトも今回で2回目。1分~30分の短編映画であればジャンルは不問。最優秀賞に選出された作品は、 FOXムービー プレミアムおよびJ:COMなどで放送されるほか、映画制作支援金として100万円が授与される。
今回、300作品を超える応募の中から最優秀賞に選出されたのは、森ガキ侑大監督の『ゼンマイシキ夫婦』。2人が日常生活を送るためには、自分のゼンマイを相手に回してもらわなければならないが、平凡な日々に愛が冷め始めた2人は、相手のゼンマイを回す意味を見失い始めていた……という物語だ。グランプリに選ばれた森ガキ監督は「とてもうれしいです。この映画はゼンマイの美術を作るのが本当に難しかった。美術スタッフのアイデアがなければ、僕だけでは実現できなかった。全てのスタッフやキャストにお礼を言いたい」と感激の表情を見せた。
審査員を務めた本広が「この映画は5本の中でも一番尺が短いんですが(約13分)、伝えたいメッセージが詰まっていて、監督のセンスが爆発している」と切り出すと、福井も「日本映画界は即戦力が欲しい。この人は自分のテーマを語ることができる技術を持っている」と付け加えるなど高評価だった。
さらにこの日は、急きょ「最優秀俳優賞」が設立され、『帰ろうYO!』に主演するサイボーグかおりが受賞。劇中では、ヒューマン・ビート・ボックスでリズムを刻む宇宙人に、体を乗っ取られてしまった女性を怪演していたことから、喜びの生ヒューマン・ビート・ボックスを披露。司会を務めたオリエンタルラジオをはじめ、会場に集まった人々を圧倒する一幕もあった。(取材・文:壬生智裕)
■「FOXムービー プレミアム短編映画祭 2014」の受賞結果は以下の通り
最優秀賞:『ゼンマイシキ夫婦』(森ガキ侑大監督)
最優秀俳優賞:サイボーグかおり(『帰ろうYO!』)
優秀賞:『ネクタイと壁』(山本亜希監督)
優秀賞:『I'm here』(藤田恭平監督)
優秀賞:『さえずり』(廣田耕平監督)
優秀賞:『帰ろうYO!』(松本卓也監督)