新『ゴジラ』監督が世界で初めて語った超マル秘裏話!
公開初週の全国映画動員ランキングで見事1位に輝いた映画『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督が、製作過程を振り返りながら、映画公開後だから明かせる裏話を語った。エドワーズ監督の告白を受けて、自らの目で確かめたいという意欲が湧くかもしれない。
低予算で製作した『モンスターズ/地球外生命体』1作のみの実績で大作の監督に抜てきされたエドワーズ監督。ゴジラ映画化の企画があることは知っていたが、自分の前には300人ほどの候補者がいて、ジェームズ・キャメロン監督やスティーヴン・スピルバーグ監督といったビッグネームがメガホンを取ると当然のように思っていたという。実際にオファーが来たときは「まず、最初に『F』ワードを言ってしまいました」と笑う。
世界的人気を誇るゴジラの映画化という大役を担うことになったエドワーズ監督だが、制作前に抱いていた作品への思いやイメージと完成作に、ギャップはあったのだろうか?
「この質問はこれまでわたしが受けてきたインタビューの中で初めてで、しかし、自分にとって一番大事な質問です。そして、まだ答えを出すことができていません。こういうものを作りたいというイメージや、非常に大きな野心を持っていても、時間的なことや現実的な問題で、少しずつ制御されてしまう……」
日頃から自問自答し、常に直面する問題だというエドワーズ監督は「スタートは最も偉大な映画を作るぐらいの気持ちでいないといけない。『いい映画を作ろう』くらいに思っていると、途中の妥協などいろいろな問題で、かなり悪いものができてしまうということになりがち。自分がイメージしていた『これが作りたい』というものと、最終的に出来上がった作品のギャップというのは、ある程度受け入れなくてはいけませんが、今回は初めてのスタジオ大作として、そんなにひどいギャップじゃないと思います」と胸を張った。
ゴジラのビジュアル化には、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラムや『猿の惑星』シリーズのシーザー役で知られるアンディ・サーキスが関わっている。
「アニメーターたちの参考にするために、モーションキャプチャーのための演技をしていただいたんです。アニメーターたちとのコミュニケーションは、1日ぐらいかけてずっと直しを入れても、またダメ出しをするという、ものすごい時間がかかる作業なんです。それを短縮するためにアンディさんのように大変優れた俳優さんにゴジラの魂が見える部分、感情移入するところなどを演じていただきました。それをVFXの会社に持って行って、アンディさんのモーションキャプチャーを基にアニメーターたちがゴジラを制作していったんです」
そして、「誰も聞いてくれなかったので、誰も書いていないことを一つ教えましょう」と口を開いた。
「わたしがとても誇りに思っていることなのですが、主人公は軍の人ですよね。本作ではアメリカ国防総省の協力を得ているのですが、主人公は劇中で銃・兵器を使っていないんです。手に持ってはいるけど、発射はしていない。発射した人はみんな死ぬ。発射しなかった人だけが生き残るんです。これって潜在的なものかもしれないけど、ものすごくいい教訓じゃないかと思っています。でも、誰も気付いていないかもしれない。みんな気付くと思って撮ったのですが(笑)」
続編の製作とエドワーズ監督の続投決定が発表されたばかりの『GODZILLA ゴジラ』。全世界興行収入が500億円を突破した大ヒット作としては、当然の成り行きかもしれない。(編集部・小松芙未)
映画『GODZILLA ゴジラ』は公開中