メイクアップ界の巨匠ディック・スミスさん死去　『ゴッドファーザー』『エクソシスト』など

　映画『ゴッドファーザー』『エクソシスト』など名だたる作品を手掛けてきたメイクアップ界の巨匠ディック・スミスさんが92歳で死去した。『メン・イン・ブラック』などで知られるメイクアップアーティストのリック・ベイカーが現地時間7月31日の朝に「マスターが逝ってしまった。わたしの友人でメンターであるディック・スミスはもういない。世界はこれまでと同じままではいられないだろう」とツイッターで悲しみの報告をした。

さすがの名人技でした…映画『ゴッドファーザー』フォトギャラリー

　『ゴッドファーザー』では当時40代だったマーロン・ブランドをドン・コルレオーネにし、『アマデウス』ではF・マーレイ・エイブラハムを作曲家アントニオ・サリエリに変えたディックさん。『アマデウス』では第57回アカデミー賞メイクアップ賞に輝いた。メイクアップ界のパイオニアとしての功績をたたえられ、近年では第83回アカデミー賞名誉賞、メイクアップ・アーティスト・アンド・ヘアスタイリスト・ギルド・アワードの生涯功労賞を受賞している。

　そのほかの代表作は『タクシードライバー』『ゴッドファーザーPART II』『ディア・ハンター』『小さな巨人』『スキャナーズ』『マラソン マン』『永遠（とわ）に美しく…』など。彼の教えを受けたメイクアップアーティストは、リック・ベイカーのほか、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのリチャード・テイラー、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のグレッグ・キャノン、『エド・ウッド』のヴィ・ニール、『LOOPER/ルーパー』の辻一弘などそうそうたるメンバーばかりだ。（編集部・市川遥）