ドラえもん3DCG化に「正直抵抗があった」 山崎&八木監督がそれでも突き動かされた理由とは?
藤子・F・不二雄の国民的アニメ「ドラえもん」を3DCG化した映画『STAND BY ME ドラえもん』で監督を務めた山崎貴&八木竜一、そして“子ども経験者”として本作を鑑賞して号泣したという女優の山本美月が作品への思いを語った。
シリーズ初となる3DCG映画は、脚本も担当した山崎監督にとって大きな挑戦だった。「初めて本作の企画をプロデューサーから聞いたとき、正直抵抗がありました。だってオリジナルの大長編も作られているわけですしね。人が作った土俵の上に乗っかっていいのか……と思う一方、でもやってみるならこんなひみつ道具を使いたいとか、あのエピソードを演出したいと思い始めている自分がいたんです。葛藤していましたね」と当時の苦悩を明かす。
だが、子供のころから親しんできた「ドラえもん」への思いが、山崎監督を突き動かした。「ドラえもんってみんなが観ているアニメだけど、原作の初回や、ドラえもんがなぜ未来にやって来たのかということは意外に知らない人もいる。だからこそ、これまでの名作エピソードを使って本当のドラえもんの魅力を伝えたかった」と話す山崎監督は、『friends もののけ島のナキ』以来2度目となる八木監督とタッグを組み、映画を完成させた。
並々ならぬプレッシャーの中で作り上げた作品だからこそ、「もうひどいくらい泣きましたね(笑)」と話す山本に、両監督は「山本さんは関係者以外では初めて試写を観ていただいた方だったので反応が気になったんです。でも、こっちが心配になるほど泣きながら出てこられましたよね。まさに僕たちが一番見たかった姿でした!」とニッコリ。「ドラ泣き」1号となった山本の涙が、作品への自信につながったという。
なぜ大人になってから観る「ドラえもん」はこんなにも泣けるのか? 山本が「『ドラえもん』の感動や切なさは、大人になった今だからこそより共感できる部分が多いんです。しずかちゃんが結婚前夜に父親と話すシーンには胸に迫るものがありました」と話すと、八木監督も「大人になった僕らはドラえもんがいつか居なくなることを知っている。だからこそ切ない」と分析していた。(編集部・森田真帆)
映画『STAND BY ME ドラえもん』は公開中