17歳の新人女優がみずみずし過ぎて…社会派のはずがアイドル映画に!?
日本映画の旧作を中心に上映するミニシアターとして知られる映画館ラピュタ阿佐ヶ谷の館主、才谷遼の初監督作品『セシウムと少女』(製作・配給:ふゅーじょんぷろだくと)の製作発表記者会見が18日、阿佐ヶ谷のアート・アニメーションのちいさな学校で行われた。この日は才谷監督のほか、主演の白波瀬海来(しらはせかいら)と、共演の川津祐介、山谷初男、金野美穂たちも出席した。
みずみずしい白波瀬海来と金野美穂!『セシウムと少女』製作発表記者会見フォトギャラリー
8月7日よりクランクインし、撮影も中盤を迎えているという本作。阿佐ヶ谷に住む少女ミミちゃん(白波瀬)が、太古よりこの国に居る7人の奇妙な神様たちと一緒になり、「逃げたおばあちゃんの九官鳥」を捜しに駆け回るという内容の冒険ファンタジーだ。
大学時代に岡本喜八監督に師事し、映画監督になることを夢見ていたという才谷監督は、「ようやくこの作品が作れるようになって、感慨無量」としみじみ。劇中では、ミミちゃんが3.11以降に食事をするたびに舌がチクチクと痛むようになったことから、舌の痛みの原因を突き止めようと、いつしか神様との冒険がセシウムのホットスポットと放射能をめぐるものへと変化していく、という反骨精神にあふれた展開になるため、「社会派エンタメのつもりで撮影を始めた」と振り返る才谷監督。
しかし、17歳の新人女優である白波瀬、そして金野のみずみずしさに触れるうちに、「これはアイドル映画だなと思うようになった」と意識の変化を告白。一方の白波瀬は「この映画が決まってうれしかったです。映画が始まる前は不安ばかりでしたが、スタッフの皆さんにも支えられて、楽しい日々を過ごしています」と笑顔を見せた。
神様役の川津も「いろいろとやらせていただけて、現場は本当に楽しいです。その分、先生(才谷監督)は大変だと思いますが」と笑顔を見せると、山谷も「とにかく不思議な映画。どんなふうに仕上がるのか全くわからないから、編集されるのが本当に楽しみ」と付け加えた。なおこの日は、本作のポスターを「ひょっこりひょうたん島」「11PM」などで知られるイラストレーターの久里洋二が手がけることもあわせて発表された。(取材・文:壬生智裕)
映画『セシウムと少女』は2015年3月より全国順次公開予定