綾野剛、監督賞受賞に「風が吹いた」
現地時間1日にカナダで行われた第38回モントリオール世界映画祭授賞式にて最優秀作品賞に次ぐ最優秀監督賞を受賞した映画『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が歓喜のスピーチを行い、呉監督と共に映画祭に参加した主演の綾野剛とヒロイン役の池脇千鶴も喜びのコメントを寄せた。
最優秀監督賞受賞は、根岸吉太郎監督の映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(松たか子、浅野忠信)以来5年ぶりの快挙。呉監督は「賞の名前は『監督賞』という名前ですが、ひとりでとれるものではなくて、みんなの力があってこそのものだと思います。みんなでここまでこれたし、本当に良かったなと思います。この映画の原作を書かれた作家・佐藤泰志さんは芥川賞候補に何度もノミネートしながらも賞に恵まれず、不遇の死をとげました。この賞を獲得し佐藤さんが報われたかなと感じています。佐藤泰志さんにおめでとうございます!!」とスピーチした。
綾野は「風が吹いたなって感じです。佐藤泰志さんに届けられたかなと思います。この監督賞をきっかけに日本でも多くの人に届くことを願っています。国と文化を超えてコミュニケーションをとれた実感があり、映画は改めて世界共通語だと思いました」と充実感たっぷり。
池脇は「がらにもなく興奮してしまいました。監督すごくがんばったと思うのでいいご褒美ですね。わたしもすごくうれしいです」と興奮冷めやらぬ様子で受賞を喜んでいる。
モントリオール世界映画祭は、1977年より開催されている国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の北米最大規模の国際映画祭。本作と同じくワールドコンペティション部門に出品されていた吉永小百合初プロデュース・主演映画『ふしぎな岬の物語』(成島出監督)は審査員特別賞グランプリとキリスト教関連団体が独自に選出するエキュメニカル審査員賞をダブル受賞した。(編集部・小松芙未)
映画『そこのみにて光輝く』はテアトル新宿にてアンコール上映中、11月14日ブルーレイ&DVD発売