皇后陛下との対面に、役所広司&岡田准一「幸せでした」
皇后陛下美智子さまが10日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『蜩ノ記』東日本大震災復興支援チャリティー試写会に臨席された。この日は皇后陛下のお出迎えのために役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が登場した。
本作のメインロケ地が岩手県遠野市であったことから、この日の試写会には、遠野市の仮設住宅「穀町団地」に住む被災地の方々15名を招待。そこに皇后陛下もお招きし、チャリティー試写会という形で執り行われることとなった。皇后陛下が到着されたのは午後5時47分。当初、緊張の面持ちだった監督・キャスト陣も、皇后陛下からにこやかに声を掛けられると思わず笑顔に。
午後6時に、満員の観客から大きな歓声と拍手で迎えられた皇后陛下は、隣席の役所らと映画を鑑賞。映画本編終了後、エンドクレジットで小泉監督の名前がスクリーンに映し出されると、スクリーンに向けて拍手し、その後、皇后陛下は、キャスト・監督らと歓談されていた。
皇后陛下が退席された後、報道陣の取材に応じた役所は「皇后さまが歩いてこられたときは、不思議な風が吹いたようなオーラを感じました。皇后さまは映画を食い入るように観ていただいた。幸せでした」としみじみ。岡田も「すごく緊張しました。僕の名前を呼んでいただいたときは、僕のことを知っているのかと戸惑ってしまいました。自分が(過去に)演じた映画やドラマが良かったと褒めていただいて。今日は幸せな日だと思います」と晴れ晴れとした顔を見せた。
小泉監督は「上映後に、お茶を飲んだ席で『素晴らしい映画をありがとうございました』と言っていただきました。僕が黒澤明監督の助監督をしていたこともご存じで。昔、黒澤さんが皇后さまは映画が好きだと言っていたのは本当だなと思いました」と感激の表情を見せた。
直木賞作家・葉室麟のベストセラー小説を映画化した本作。「生きる時間を区切られてしまったとき、残された人生をどう生きるか」というテーマのもとに、師弟愛、夫婦愛、家族愛、そして初めての恋と、人が人生の中で出会うさまざまな愛の形を描き出している。(取材・文:壬生智裕)
映画『蜩ノ記』は10月4日より全国公開